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パトリシア・コーンウェルのミステリー小説「検屍官シリーズ」5選

街クリ編集部 街クリ編集部


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また12月がやって来る。「検屍官シリーズ」新作の季節です。1992年に『検屍官』(講談社)で衝撃的にデビューしたパトリシア・コーンウェルの同シリーズも最新作で23作目。タイトルは『邪悪』(講談社文庫、上下巻)と予告されています。途中で一人称の文章が三人称になった、死んだベントンが生き返った、ケイの年齢が若返った、翻訳者がかわった等、長年のファンをやきもきさせる変化はありましたが、主要キャラクターであるケイ、ベントン、マリーノ、ルーシーともに健在です。最新作発売直前に直近5作のおさらいをしてみましょう。
 

1. 『変死体』
(2011年)講談社

前作ではニューヨークにいたケイ・スカーペッタとベントン・ウェズリーは、現在、ケイがケンブリッジ法病理学センター(CFC)の局長になったことがきっかけで、ハーバード大学、マサチュ―セッツ工科大学(MIT)等があるマサチューセッツ州ケンブリッジに住んでいます。しかしケイは局長就任から半年間、米軍監察医務局の任務としてドーヴァー空軍基地で研修を受けており、CFCを管理していたのは副局長であるジャック・フィールディングでした。

ケイが研修を終え、同基地を去る時、CFCには深刻な問題が起こっていました。CFCに運ばれた遺体が死ぬ前にモルグの冷蔵庫に安置された可能性が出てきたのです。22歳の青年の死因を探るために、ケイは彼が死の直前まで身に着けていたカメラ付きヘッドフォンの映像を確認し、細心の注意を払って検死を行います。そして彼を殺害した思いもよらない凶器を特定します。

半年のブランクと、その間にめちゃくちゃにされたCFCの現状、特にケイがリッチモンド検屍局長時代に研修生として鍛えたフィールディングの裏切りがケイを混乱に陥れます。後半、行方不明であったフィールディングの発見から全ての事件が絡み合い、謎は一気に解かれますが、真相が明らかにされるかは微妙なところです。そして著者コーンウェルが、本作に出てくる最新の医学、科学技術、武器はフィクションではあるが、いずれ明日にも実現しようとしているものばかり、と読者に語る科学の進歩には、毎度ながら恐ろしさを感じざるを得ません。

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