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パトリシア・コーンウェルのミステリー小説「検屍官シリーズ」5選

街クリ編集部 街クリ編集部


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2. 『血霧』
(2012年)講談社

本作は、全作『変死体』から4か月後、12歳のジャック・フィールディングを性的に虐待し、彼の娘を産んだキャスリーン・ローラーに面会するために、ケイがジョージア州女子刑務所を訪ねるところから始まります。面会時にキャスリーンは、2週間前に隔離収容棟に移され、同刑務所唯一の死刑囚ローラ・ダゲットに危険を感じていると語ります。そして、面会終了時にケイに渡したメモの電話番号は、ニューヨーク地方検事補を辞めたジェイミー・バーガーのものでした。

キャスリーンを使って連絡を取り、ケイとともにCFCで働くマリーノまでも巻き込んで、ジェイミーがケイに協力を迫ったのは、9年前に起きた一家斬殺事件で死刑執行を待つローラ・ダゲットの冤罪を晴らすことでした。ジェイミーは、この一家斬殺事件の犯人の指紋がケイを襲ったキャスリーンの娘のものと一致したことから、ケイの裁判にも有利になることをほのめかしますが、ケイには彼女がニューヨークでの権力闘争に敗れたその巻き返しに焦っているように映ります。

こうして同州検屍局にある9年前の事件の資料を検討していると、刑務所でのキャスリーンの死亡が知らされます。ケイはそれ以前にも同刑務所で囚人の不審死があったことと、さらなる殺人事件から、全ての謎を解き明かします。ケイの謎解きは鮮やかですが、ケイ、ルーシー、マリーノの心の揺れが読者に辛い作品でもあります。

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