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薬丸岳のミステリー小説5選

街クリ編集部 街クリ編集部


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3. 『悪党』
(2009年)角川書店

2012年にテレビドラマ化された犯罪被害者の加害者への赦しがテーマの社会派ミステリーです。主人公・佐伯修一は、15年前に姉・めぐみを強姦の上殺害され、その後悪人を捕まえたいと警察官になりました。しかし、胸の奥の憎悪が犯人への暴行へと繋がり、逮捕・失職。その後、以前警官だった小暮の探偵事務所で探偵をしていました。

そこへ11年前に息子を殺された細谷夫妻が来訪、少年院から出所後の加害者・坂上洋一の現状調査を依頼してきたことから始まり、同探偵事務所は犯罪前歴者の追跡調査を請け負い続けます。結果、細谷は坂上を刺すという罪を犯し、また数々の犯罪被害者家族の苦しみを目の当たりにし、佐伯は加害者への赦しとは何かに苦しみます。

彼もまた、姉を殺した犯人を密かに調査し、そのために知り合ったキャバクラ嬢・はるかを利用します。姉を殺した3人のてん末、細谷に刺された坂上の悪党としての覚悟、小暮が警察を辞めた理由、姉の事件の主犯を弁護した弁護士の懊悩、そしてはるかが背負った苦しみが、終盤に押し寄せてきます。最後に佐伯は答えを見つけたのでしょうか。ともに考える余韻のある作品です。

 

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