編集部おすすめ人気小説ランキングBEST50!

街クリ編集部 街クリ編集部


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小説をこよなく愛するみなさん、こんにちは。今日は街角のクリエイティブ編集部がおすすめする小説をドドンと50作品、ランキング形式でご紹介します。

「小説初心者で何を読んでいいのかわからない」というみなさんも、「いつもと違うジャンル、作家の作品を読みたい」という小説好きのみなさんも、編集部が推薦するおすすめ小説50冊の中から「この一冊!」と呼べるものと出会って下さいね。

それでは早速、50位からご紹介していきます!

50位から41位

第50位 『その女アレックス』 ピエール・ルメートル

2014年、日本国内・海外を含め史上初の6冠。ミステリー大賞を総なめにした、一気読み必須の最恐ミステリー小説です。誘拐されたアレックスが衰弱しながらも脱出を試みるシーンから物語は始まります。1部、2部、3部とも二転三転するストーリー。残酷な描写もあり、途中で読むのが嫌になりつつも、展開が気になり過ぎて最後まで読んでしまいます。キャラが濃すぎる登場人物の視点の入れ替わりにもスピード感があります。

日本語翻訳がとても自然でとても読みやすいです。映画化の話が進んでいるそうですが、間違いなくR指定になりそうな予感がします。

第49位 『蛇にピアス』 金原ひとみ(かねはら ひとみ)

第130回芥川賞を、綿矢りさの「蹴りたい背中」と同時受賞した小説。ある日、主人公のルイは下にピアスをあけた「スプリットタン」のアマと出会い、同棲を始めます。自分もスプリットタンにしたいと考えたルイは、アマから彫り師のシバを紹介してもらうことに。ルイはシバとも肉体関係を持ち、痛みと快楽に溺れていきます。そんなある日、アマが死体で発見されます。

自分が生きる世界とはかけ離れた、しかし確かに存在するどこかで起こる物語に釘づけになります。自分が生きていく理由を見い出すために必死にもがき苦しむ若者を鮮烈に描いている小説です。生とは何か? 死とは何か? 読んだ後にしばらく考えてしまいました。吉高由里子初主演映画としても大きく話題になりました。

第48位 『火花』 又吉直樹(またよし なおき)

お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が描いた第153回芥川賞受賞作。売れない芸人である徳永がある日出会った先輩芸人神谷の才能に惹かれ、弟子入りします。二人は互いに心を通わせ、神谷は徳永にお笑いに対する哲学を伝授していきます。次第に売れ始める徳永とは対照的に、神谷はその輝きを失っていきます。ある決定的な出来事を機に徳永は神谷を避けるように。借金を抱えて逃亡した神谷は1年後、信じられないような姿で徳永の目の前に姿を現します。

現役のお笑い芸人にしか書けない作品だと思いました。物語の中に自然な形でクオリティの高いネタが入ってくる手法が斬新です。日本人が書いた作家でこれほどユーモアの効いた小説は珍しいと思います。又吉さんの言葉遣い・語彙の豊富さに感銘を受けます。

第47位 『教団X』 中村文則(なかむら ふみのり)

アメリカ、ウォール・ストリート・ジャーナル年間ベスト10小説に日本人作家として初めて選ばれた小説です。600ページ弱の長編小説ながら著者の圧倒的筆力で一気に読んでしまいます。主人公楢崎の彼女である立花はある日、彼の前から姿を消す。彼女を探す中で楢崎がたどり着いたのが、松尾という教祖が率いる妙にゆるい宗教団体でした。その団体に立花がいたことは確かですが、立花は別の宗教団体「教団X」の教徒で松尾の団体を騙してどこかに身を隠したのだと聞かされます。楢崎は危険を承知で「教団X」に足を踏み入れることに・・・。

宗教、宇宙学、脳科学、量子学、テロ、戦争論など、様々なテーマが詰め込まれた小説です。洗脳された感覚に少々読み疲れますが、安保法案や戦争責任が騒がれている今こそ読んで欲しい小説です。

第46位 『ホーンテッド・キャンパス』 櫛木理宇(くしき りう)

島崎遥香と中山優馬主演で映画化が決まっている小説です。ビビリなくせに霊感のある主人公、八神森司は大学のキャンパスで、高校時代片思いをしていた後輩の灘こよみと再会を果たします。森司は嫌々ながらもこよみとの距離を縮めるためこよみが勧める「オカルト研究会」に入部します。オカ研に持ち込まれる様々な怪奇現象を、2人は他の個性的なメンバーとともに解決していきます。

ベタベタのラブコメに、ほんのりとオカルトテイストを味付けした読みやすいライトノベル作品です。「ホラーは苦手だけど、漫画感覚だったら読んでみたい」という方にはおすすめの小説です。

第45位 『野火』 大岡昇平(おおおか しょうへい)

テレビや教科書では教わらないこと、戦争の真実が書かれた小説。太平洋戦争中、生還率3%、最も過酷な戦場と言われたレイテ島が舞台。主人公の田村は肺病を理由にレイテ島の分隊を追われ、野戦病院からも食料不足を理由に入院を拒まれます。やがて山奥で飢えの迷走を始めた田村は、孤独と人喰いへの欲求から狂人と化していきます。

どこまでが正気か、どこまでが狂気か、どこで入り混じっているのか、主人公の心の揺れ、極限状態になると人間はどのように変わってしまうのかが残酷までのリアリティで描写されていて、一度読めば頭から離れないほどの怖さがあります。田中氏のエンタメ新党では映画版が取り上げられています。

第44位 『ぼくは愛を証明しようと思う』 藤沢数希(ふじさわ かずき)

「恋愛工学」の第一人者、藤沢数希の純愛小説、というか簡単に言うとナンパ必勝法です。27歳の主人公渡辺は女性に一生懸命尽くすも、ひどい仕打ちばかり受けている非モテ男子でした。しかしある日、モテ男子の先輩である長沢に恋愛工学を教わり、そこから恋愛工学を駆使しモテまくるモテ男子へと変貌を遂げていきます。果たして渡辺はモテの先にある本当の愛にたどり着くことができるのか?

人気ブロガー藤沢数希氏が提唱する、女性とセックスするためのテクノロジー「恋愛工学」をストーリーに落とし込んだ小説なので、女性との接し方、落とし方がわからない男性向けの恋愛指南書と言っても良いです。読んでいると自分にも出来るかもしれないという感覚に陥ります。面白いし勉強にもなりますが、何といってもゲスいです。

第43位 『神々の山嶺』 夢枕獏(ゆめまくら ばく)

上下巻で1047ページという大作。前半はストーリーに、後半はスリル満点のクライミングシーンに引き込まれます。
山岳カメラマンとしてエベレスト登頂に挑んだ主人公の深町は、2人の滑落死者を出し登頂に失敗します。失意の中カトマンズを彷徨う深町は、ふと立ち寄った骨董品屋でエベレスト登山史上最大の謎とされているジョージ・マロリーのカメラを発見。そのフィルムにはエベレスト山頂付近で行方不明となったジョージ・マロリーが登頂に成功したのか否か、という謎を解き明かす鍵が隠されていました。しかしその後、ホテルでカメラを盗まれてしまった深町はカメラの行方を追う中で、伝説の登山家羽生丈二と出会うことになります。

登山家心理を深くえぐり出した小説です。真正面から「なぜ人は山に登るのか」という究極のテーマに答えを出そうとしています。2016年に岡田准一主演で映画化され、映画史上初となるエベレストでのロケが敢行されました。

第42位 『スクラップ・アンド・ビルド』 羽田圭介(はだ けいすけ)

お笑い芸人である又吉直樹氏の受賞に隠れてしまいましたが、こちらも第153回芥川賞受賞作。28歳、主人公の健斗は前職を自己都合で退職し、自宅で資格試験の勉強をしながら転職活動中。企業の中途採用試験を受けては落ち続けていますが、なぜか明るい未来を描いています。健斗は87歳で「もう死んだほうがよか」が口癖の祖父に嫌気がさしつつ、介護するようになります。しっかり世話をすると見せかけて、祖父を弱らせ、社会復帰の機会を奪い尊厳死を迎えるよう企てるのです。

現代社会の深刻な高齢化問題に光を当てる作品。一方で、祖父と健斗のやりとりに、喜劇を見ているかのような可笑しさがあります。手練の作家作品をお好みの方は是非読んで欲しい小説です。

第41位 『残穢(ざんえ)』 小野不由美(おの ふゆみ)

山本周五郎賞受賞作。京都で暮らす「私」はホラー小説の作家、小説のあとがきで読者に怖い話の募集を呼び掛けていました。ある日、読者から一通の手紙が届きます。手紙の送り主の新居である「岡谷マンション」の寝室から、誰もいないのにほうきで畳を掃く音が聞こえるというのです。「過去に住人が自殺した」というありがちな推理をしますが、岡谷マンションで過去に自殺や殺人が起こった事実はありませんでした。さらに調べを進めていくうち、謎の答えがマンションの建設前にあることがわかります。

目次を見ると壮大な大河小説のように感じますが、実際はドキュメンタリー風のホラー小説です。2016年1月に竹内結子主演で映画化されたことでも有名です。

40位から31位

第40位 『蹴りたい背中』 綿矢りさ(わたや りさ)

受賞年齢の若さで大きな話題となった、第130回芥川賞受賞作であり、青春小説。「さびしさは鳴る」という独特な書き出しで始まる代表作。「人にしてほしいことばっかりなんだ。ひとにやってあげたいことなんか、何一つ思い浮かばないくせに」という文章が刺さりました。同級生の“にな川”を「蹴りたい」、クラスメイトは「レベル低い」。環境を受け入れられない自分を、周りを見下すことで肯定しようとする主人公のハツは、惨めで、強情で、孤独。そんな歪んだ思春期を、五感で捉える表現力に脱帽です。にな川に対する様々な感情が衝動となって現れる、まさに「蹴りたい背中」。併せて読みたいのは、綿矢さんの作品「インストール」です。

第39位 『植物図鑑』 有川浩(ありかわ ひろ)

「図書館戦争」「フリーター、家を買う。」などで知られる有川浩氏による恋愛小説。タイトルからして堅苦しそうな「植物図鑑」ですが、読み口が軽やかで胸キュン要素が散りばめられています。独身OLが行き倒れの謎の青年を拾って不思議な同居生活を開始。週末に2人で一緒に植物採集して、料理して、食べてを繰り返し仲良くなっていくという“スミレの砂糖漬け”のようなストーリー。一緒に美味しいご飯を食べる、散歩する、寄り添うことで毎日の生活に潤いを感じていく描写が素敵です。

第38位 『無伴奏』 小池真理子(こいけ まりこ)

恋愛小説の大家にして直木賞作家・小池真理子の多感な時代を記した半自叙伝的小説。成海璃子、池松壮亮、斉藤工という豪華若手キャストで、2016年の映画化が決まっています。高度経済成長期、高揚する時代と青春がもたらす、耽美でせつない世界が繊細に描かれており、その世界に入り込んでしまいます。恋愛の深さをしみじみと考えたり、ラストは自然と涙が出てきたり、読後も色々考えさせられた作品です。「二重生活」も2016年に映画化されるということで、2016年は、小池真理子の映画イヤーになりそうですね。

第37位 『嫌な女』 桂望実(かつら のぞみ)

詐欺師と弁護士、対照的な2人の女性の20~70代までの一生をテンポ良く追いかけて行く物語。可愛い表紙とは対照的に、歳を重ねていく登場人物たちを見ていると言いようのない切なさが襲ってくる。そのギャップに最後までページをめくってしまいます。なぜか読み進むにつれ主人公と心境がシンクロしていく感覚に陥ります。黒木瞳初監督、吉田羊と木村佳乃がW主演で映画化されます。

第36位 『王とサーカス』 米澤穂信(よねざわ ほのぶ)

実際起こったナラヤンヒティ王宮事件がモデルになっています。王宮軍人・ラジェスワル准尉が殺害された謎を、日本人記者・太刀洗万智が追及していくというストーリー。ラスト近くでタイトルである「サーカス」の意味を理解し、ゾッとします。後味の良い話とは言えませんが、物語に引き込まれることは確実です。

第35位 『カラフル』 森絵都(もり えと)

必ずと言っていいほど学校の図書館に置いてある有名青春小説。生前の罪で生まれ変わることが出来なくなった、自殺した中学3年生の主人公「ぼく」。もう一度、人間界でやり直すチャンスを天使からもらうという所から始まります。「ぼく」は、家族に見捨てられたと思い自殺を図っていた「小林真」の体を借り、「真」として生活して行きます。現実からはかけ離れた設定ですが、なかなか泣かしてくれます。主人公が見ている世界は色がないモノクロ、それが「カラフル」にどう繋がっていくのか。分かった瞬間、鳥肌が立つほど衝撃を受けます。

第34位 『容疑者Xの献身』 東野圭吾(ひがしの けいご)

東野圭吾がおくる何とも切ない感動小説。天才物理学者・湯川が「僕の知る限り、本物の天才」と評する男、天才数学者・石神。その石神が愛する女性のために完全犯罪を企てるというストーリー。天才・石神が仕掛けた策略に、同じく天才である湯川が挑んでいきます。見所は何といっても石神が仕掛けたトリック。その巧妙さと、そこに込められた想いに、涙が止まらない作品です。スクリーン化もされ、話題となった小説です。

第33位 『流』 東山彰良(ひがしやま あきら)

第153回直木賞受賞作。台湾生まれの主人公・葉秋生。祖父が殺された事件を機に、その殺人事件の謎に迫って行くストーリーです。大好きだった祖父が殺されるというショッキングな事件を通し、戦争の悲惨さを描きながらも、疾走感のある青春ストーリーが展開されていきます。淡々と展開されるユーモラスな文章にもはまってしまいます。沢山のエピソードが散りばめられていて、読み終わるまで随筆ものかと思ってしまうほど!

第32位 『探偵の探偵』 松岡圭祐(まつおか けいすけ)

北川景子主演のドラマを見て、原作を買うという出版社の戦略にまんまと乗せられました。いわゆる推理小説ではなく、心に傷を負ったハードボイルドな主人公が仇を探す傍ら、悪者をやっつけるという正義のヒーロー系作品。ハラハラしたり、バイオレンスシーンでは自分まで痛く感じてしまったり。過激な描写もありますが、随所に散りばめられた探偵テクニックには「なるほど!」と感心されられました。

第31位 『星籠の海』 島田荘司(しまだ そうじ)

和製シャーロック・ホームズとも言える天才探偵が主人公のミステリー小説。登場人物が多く、いくつものエピソードがありますが、難しくなく、テンポ良く話が進んでいき、気づいた時には島田ワールドに引き込まれています。沢山の伏線を散りばめながら、島田先生がそれらをすべて回収できているのかが、職人技という感じです。天才探偵・御手洗潔シリーズは根強いファンがいますね。

30位から21位

第30位 『それから』 夏目漱石(なつめ そうせき)

夏目漱石の中では圧倒的に有名な作品の一つです。男性の純愛小説。男性のワガママと悩みは時代が変わっても同じ。だからこそ、いつ読んでも強烈に心に響く作品です。主人公・代助が明治時代のゆとりニートという所にも親近感を感じます。社会の中での男女、恋愛と結婚の違い、近代の人々をある種、生き生きと描いています。代助の狂気に刺激を受けること必至、時代を超えて読める作品だと思います。

第29位 『百瀬、こっちを向いて。』 中田永一(なかた えいいち)

この小説は乙一の別ペンネーム、中田永一による青春ラブストーリー。恋愛感情の芽生えを描き、繊細ながらもユーモラス、叙情的でありながらコミカルな小説です。せつない恋心が感動を呼ぶ永遠の名作。ぐいぐい惹きこまれ、あっという間に読破してしまうでしょう。

第28位 『クリーピー』 前川裕(まえから ゆたか)

第15回日本ミステリー文学大賞で新人賞を受賞した前川裕のサスペンス小説。表紙のCREEPYという文字によって初めは敬遠しますが、気になる言葉がいくつも書かれていて、ラストまで読むのを止められなくなります。小さなきっかけからどんどん膨れ上がる疑惑、主人公の周りで起こる様々な事件のピースが見事に合わさっていく度、悪寒が走ります。特に隣人というシチュエーションが実際にありそうでゾッとします。この視点のまま隣人を見回すと怖い。ストロベリーナイトに続き、西島秀俊と香川照之共演で映画化されるので楽しみです。

第27位 『女生徒』 太宰治(だざい おさむ)

太宰文学と言えば「人間失格」や「走れメロス」。人気のきっかけとなったヒット作「斜陽」ですが、今回紹介するのは「女生徒」。起床から就寝までの少女の1日を描いた作品です。「あさ、眼をさますときの気持は、面白い」「明日もまた、同じ日が来るのだろう。幸福は一生、来ないのだ。それは、わかっている。けれども、きっと来る、あすは来る、と信じて寝るのがいいのでしょう」など、思春期ならではの言葉遣いや心情表現、時には哲学的な発言が散りばめられています。思春期真っ只中の14歳の少女になりきる太宰治が見所です。

第26位 『江戸川乱歩全集』 江戸川乱歩(えどがわ らんぽ)

ミステリーではなく、人間のエゴについて触れている作品が多い「江戸川乱歩全集」。乱歩らしい、ほどよい長さの短編小説が22篇ぎっしり詰まりつつも、各話に自作解説付きという、乱歩好きにはたまらない超贅沢本です。解説を読むだけでも楽しいです。最後にやっつけのようなどんでん返しにあっと驚いたり、ゾッとしたり、ユーモアに笑ったり。現在、「江戸川乱歩全集」の第1~2巻を原作とし、設定を現代にしたオリジナルアニメ「乱歩奇譚 Game of Laplace」が放送されています。原作とアニメを、読んで、見て、比べるのも楽しいですね。

第25位 『ノルウェイの森』 村上春樹(むらかみ はるき)

松山ケンイチ、菊池凜子、水原希子など豪華キャストで映画化され注目を集めた恋愛小説。全10代の苦悩を象徴するかのような、主人公の記憶、痛み、弱さ、純粋さ、壊れやすさ、などが痛いほど伝わってきます。主人公へ発せられた「自分に同情するな」「愛する死者に対する痛みを感じ、学び、幸せになりなさい」という言葉は心に残って離れません。個人的には「海辺のカフカ」と並んで最もおすすめの村上作品です。

第24位 『MOMENT』 本多孝好(ほんだ たかよし)

本田孝之の小説は、何気ないシーンにも、後々読者をアッと驚かせる伏線が必ず仕込まれています。また、物語の最後の一文の切れ味がとんでもないです。MOMENTは集英社の夏の文庫フェアでも取り上げられている有名な一冊。舞台は総合病院。掃除夫として働く主人公「神田」が死を目前にした患者たちの最後の願いを叶える、というもの。彼は病院で陰の仕事人として名を馳せることになります。全体を通してのテーマは「死」。神田が仕事をこなしていくにつれて、彼自身も患者たちと同様に「死」について考えるようになります。

第23位 『怒り』 吉田修一(よしだ しゅういち)

「悪人」「さよなら渓谷」「横道世之介」「平成猿蟹合戦図」などでも有名な吉田修一のミステリー。殺人現場に「怒」という謎の血文字が残され未解決となった八王子事件。殺人事件を軸にしながら、複数の場所でストーリーが進んでいき、徐々に増える登場人物、何人もの不審人物。視点が各章で切り替わっていくので、読むのを止められません。相手を信じることの難しさについて考えさせられます。松山ケンイチ・綾野剛・森山未来といった多彩キャストで2016年に映画化が決定しており、疑惑の男がどう描かれるか、今から楽しみです。

第22位 『火車』 宮部みゆき(みやべ みゆき)

宮部みゆきといったら「ソロモンの偽証」という人が多いですが、個人的な最高傑作は「火車」だと思います。地味な展開なのにドキドキする、小説ならではの醍醐味があります。誰もが一度は思う「クレジットカードは魔法のカード」という認識。しかし、クレジットカードは魔法でもなんでもなく、使いすぎるととんでもないことになる、ということを再認識させられます。ラストに近づけば近づくほど、止められない。とにかく最後の1ページが秀逸でした。食後のデザートまで食べてしまいたいところだけど、全部食べると満腹になってしまうから腹八分目で箸を置く。そんな潔さがあります。珠玉のラストをぜひ読んで欲しいです。

第21位 『人でなしの恋』 江戸川乱歩(えどがわ らんぽ)

10篇が収録されている、乱歩の初期マイナー短編集。切れ味が鋭い上に鮮やかな切り口、こんなにクールでシュールな作品を昭和時代に書いていたなんて、と驚かずにはいられません。特に、「人でなしの恋」は傑作、史上最強の恋愛小説です。お見合い結婚で見た目は格好いいし、優しいし、上手くいってると思っていたけど、何か変だと思い始め旦那の浮気を確信する。ある日浮気現場に踏み込んでみたら、そこには。あとは、実際に読んで確認してください。乱歩は時代を先取りしすぎです。

20位から11位

第20位 『旅のラゴス』 筒井康隆(つつい やすたか)

不思議な世界を旅するラゴスの物語。読み始めると何の説明もなく独自の世界に放り込まれますが、次第にその世界にも慣れ、興味を惹かれていくという魅力的な構成になっています。南の王国で様々な分野の本を読みふけるシーンは本好きにはたまりません。男のロマンに溢れています。すっかりラゴスの世界観に入り込み、読後は自分もラゴスと共に膨大な時間を旅した気分になります。自分の人生についても考えさせられる小説で、いつかまた、もっと年齢を重ねてから読みたい一冊です。

第19位 『ナイルパーチの女子会』 柚木麻子(ゆずき あさこ)

爽やかな水色のふんわりとした女の子イラストとは真逆のストーリー。女友達が出来ない、生き方も性格も噛み合わない翔子と栄利子がブログの書き手と読み手になって出会ってしまうというもの。そこから依存と執着と独占が入り混じりグルグル巻きになって、はっとする。女子の黒い部分が描かれていて「あれ? 私も思い当たる…」とゾッとしてしまいました。人間模様のホラーな部分が痛々しく感じたり、ぶつかり合う刃のような暴力的な言葉を冷静にしっかり噛みながら飲み込む自分がいたりと、ひぇーと思いながらも面白くて一気読みできてしまう本だと思います。

第18位 『アルジャーノンに花束を』 ダニエル・キイス

山下智久の主演でドラマ化され、一躍話題になったヒューマニズム作品。主人公のチャーリーは32歳。知的年齢は6歳のままという障害を抱えています。店主ドナーのパン屋で働きながら、リハビリのため精神遅延成人センターに通っています。そんな彼の元に、知能を向上させる手術の話舞い込んできます。何といってもこの小説の見所は「知能の高低により周囲の人間の態度が変わる」ことです。頭が悪過ぎると馬鹿にされ、良過ぎると嫉妬される。そんな人間の実態をチャーリーの手術を通して考えることができます。現代社会を生きる全ての人におすすめしたい、泣ける小説です。

第17位 『リバース』 湊かなえ(みなと かなえ)

ある日、彼女の元に「あなたの彼氏は人殺しだ」と記された手紙が届いたことを契機に、主人公・深瀬は大学時代のある出来事と向き合うことになるというストーリー。意外な展開に重なる、さらなる意外な展開。東野圭吾を彷彿とさせるような、それでいてラストは道尾秀介を彷彿させるような名作です。深瀬のウジウジ加減が長ければ長いほど徐々に救いが見えてきて、ラストは美味しい珈琲で締めくくるはずが、ズドーンと読み手も突き落とされ、絶句。鳥肌が立ってしまいました。深瀬は、この後どうなるんだろう?

第16位 『きよしこ』 重松清(しげまつ きよし)

著者、重松清の半自伝的小説。吃音(きつおん)をわずらう少年、きよしこが小学生の頃から青年になるまでを心揺さぶられるエピソードとともに描かれています。主人公の名前を聞いてピンと来るかと思いますが、主人公は作者の重松清さんです。重松さんだからこそ描けた作品。全国の吃音を抱えた人に向けたメッセージだけでなく、普遍的な「みんな」に向けたメッセージに溢れています。私は、この「きよしこ」を読んで重松清ファンになってしまいました。重松清作品のどれを購入するか迷った時は、「きよしこ」を選択して下さい。

第15位 『虐殺器官』 伊藤計劃(いとう けいかく)

伊藤計劃のデビュー作である長編SF小説。米軍大尉クラウス・シェパードが世界中で同時多発的に勃発する紛争や大量虐殺、その裏で暗躍するジョン・ポールを追うという社会派軍事もの。今の時代と被らせている部分が多いため、表現にリアルさを感じます。主人公の足元がおぼつかないナイーブな感じと文学的な言葉、世界観に不思議と引き込まれてしまいます。この作品で気に入っても伊藤計劃作品が数えるほどしかなく、今後も増えないのがとても悲しいです。しかし、アニメ化が決定しており、梶裕貴など豪華声優が勢揃いなので、今から楽しみです。

第14位 『師匠シリーズ』 ウニ

2003年から2ちゃんねる発祥で、現在までに113作品以上が投稿されている短編オカルト小説シリーズ。ネット投稿で派生した伝説的な人気を誇る、オカルトホラーの金字塔。読んでいる時はそうでもありませんが、後からじわじわと底冷えするような気味悪さ、違和感、この世のモノでないものに対しての恐怖がやってきます。怖い部分もありますが、どこか哲学的な雰囲気も感じられ、シリーズならではのエッセンスが詰まっています。恐怖から見えるエゴを、エゴで塗りつぶしていくからこそ、これほどまでに切なく美しい描写になっているんですよね、きっと。早く続編を読みたいです。公開されているティザー映像では、主人公ウニ役の高杉真宙とアニメ背景が妙にマッチしており、師匠に導かれて日常に潜む異界への扉を開く主人公を見事に演じていました。じっくり観たい作品です。

第13位 『64』 横山秀夫(よこやま ひでお)

上・下巻に分かれた圧巻のボリューム。読み始めた瞬間から感じる密度の濃さ、この密度に慣れた時にはもう横山秀夫ワールドにはまっていることでしょう。伏線が張り巡らされていて、小出しに謎が解明されていく仕立てがすごく上手いです。グイグイ読ませるだけでなく、1つ1つの場面、エピソードが印象的で記憶に残る。リアリズムを追求しているかのようで、ネタそのものはある意味反リアリズム的。そこがかえって面白い。上巻末でクライマックスかと思いきや、下巻で更なる展開を見せます。読み応えのある良作なので、厚さに怯まず一気に読みきってほしいです。2016年には映画化決定されていて、佐藤浩一、綾野剛、榮倉奈々、瑛太、三浦友和といった世代を超えたキャストの共演が楽しみです。

第12位 『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』 七月隆文(ななつき たかふみ)

特別な縁で結ばれる20歳の男女の甘酸っぱくて切ない恋愛小説。タイトルから示唆される通り、時間がキーとなり、予測がつく、お互いの思い。「大切な人と今、この瞬間、この時を大切にしたい」と思える陽だまりのような心温まる作品です。結末を知ってから読むと彼女の立ち振る舞い全てに泣きそうになりますし、読後も切なさが消えませんよ。2度読むとさらに楽しめます。

第11位 『幸せの条件』 誉田哲也(ほんだ てつや)

姫川シリーズでお馴染みの『ストロベリーナイト』と同じ作者。誉田哲也の作品は実に多彩で、警察モノ、青春モノ、そしてこのお仕事モノがあります。彼氏からも会社からも見放された役立たずのOL・梢恵は、ひょんなことから社長命令されバイオエタノール用の米を作ってくれる農家を探すことに。作品の雰囲気というか、ノリは武士道シリーズに似ていますが、ポップな文体なので、すごく読みやすいです。表題の意味は読んでからのお楽しみ。

10位から1位

第10位 『起終点駅』 桜木紫乃(さくらぎ しの)

佐藤浩一、本田翼、尾野真千子が主演し映画化されると聞き、読了。表紙が華やかで春のような温かな色味なので明るい話かと思いきや、全編暗くて重くてモノトーンの海が見えるダークな感じ。男と女の明るくない恋愛模様を織り交ぜた6つの短編集。人生の「ターミナル」を迎えた人々が、電車のように、折り返し新たな出発をしていく様を描いています。読むにつれて心が重たくなっていくのですが、ただ暗いだけでなく、読後にどこか温かな一筋の光を感じさせてくれる作品です。じっとりと湿った雰囲気の中をカラカラの乾ききった風が吹き抜けていくような感覚がクセになります。

第9位 『夢をかなえるゾウ』 水野敬也(みずの けいや)

読みやすくて分かりやすい自己啓発本に青春コメディーを加えた意欲作。平凡な日常を過ごすサラリーマンが、ある日マイペースなゾウの神様ガネーシャに出会うというもの。ガネーシャの言葉に改めて気付かされることが多いです。関西弁でテンポをよく進んでいくので、話し方が面白く、説教臭くもない、「なるほど」と思わせる、ガネーシャの世界にどんどん引き込まれます。「今の自分を変えるには行動するのみ」ということを教えくれます。

第8位 『ピンクとグレー』 加藤シゲアキ(かとう しげあき)

色眼鏡で見て食わず嫌いしがちなのが芸能人著者のもの。しかし、この本を読まずにいたら勿体無いです。読んでいてしっくりくるタイトルのセンスが素晴らしいです。姉弟愛、友情、恋愛、仕事、というストーリーは王道ですが、どれを取っても一途で真っ直ぐ過ぎる。白木蓮吾をロールプレイングする部分はとても深く、美しさを感じます。視点の変化、文体の変化、伏線のタイミングなど、読んでいて全く飽きが来ません。ピンクもグレーも色濃くはなるものの最後まで曖昧なまま混ざり合う、そんな読後感。その切なさと胸の痛さが残ります。中島裕翔・主演、菅田将暉や夏帆ら最旬の俳優人の共演でどう語るのか楽しみです。

第7位 『グラスホッパー』 伊坂幸太郎(いさか こうたろう)

2004年発表された、伊坂幸太郎の“最強小説”とされる120万部を売り上げたベストセラー。2010年には“殺し屋シリーズ”として続編「マリアビートル」が刊行され、シリーズ累計170万部を突破しています。妻を殺され復讐を考える主人公、ターゲットを自殺に追い込む自殺屋、ナイフの達人の殺し屋の3人の物語が同時進行に展開されていきます。絶妙に絡み合うと思えばすぐに解け、3人による多視点の一人称でストーリーが進み徐々に3人の思惑が交差します。それぞれの雰囲気がとても良く、ストーリー後半の加速がとても気持ち良いです。生田斗真、浅野忠信、山田涼介主演で映画化。殺し屋は絶対に浅野忠信しかいないと思うので映画も楽しみです。

第6位 『下町ロケット』 池井戸潤(いけいど じゅん)

「半沢シリーズ」で有名になった池井戸潤。芸仕事の流儀に共感できる点があるそうで、芸能界でもファンが多いです。第145回直木賞受賞作品、第24回山本周五郎賞候補作品。2015年10月から朝日新聞にて続編が連載される予定で、TBSテレビ日曜劇場でもドラマ化されます。中小企業の町工場の佃社長の奮闘ぶりが描かれています。半沢シリーズほどのあざとい悪役はいませんが、大企業の傲慢さに腹が立つと思います。展開のスピード感と登場人物の性格や人柄が活き活きと描かれていて、ハラハラドキドキ。感動し、寝るのも忘れて読み尽くしてしまいます。スカッとするラストは爽快です。

第5位 『漁港の肉子ちゃん』 西加奈子(にし かなこ)

Amazonベストセラー1位でもあり、お笑い芸人ピースの又吉さんがオススメしている作品。漁港の焼肉店に勤める38歳のお母さん・肉子ちゃんと娘・キクりんとの日常が綴られています。インパクトの強いタイトルと、ただならぬ雰囲気の表紙に惹かれ、つい手に取ってしまうでしょう。学校の諸々な問題に翻弄されながらも冷静なキクりんに対して、肉子ちゃんは底抜けに明るく全ての物事を肯定する強烈キャラ。この温度差ある2人のツッコミとボケに笑わされますが、ラストは涙を堪えるのに必死です。ラストを読む時は、是非ティッシュ1箱用意して下さい。

第4位 『世界から猫が消えたなら』 川村元気(かわむら げんき)

「告白」「悪人」「モテキ」など多くのヒット作を手がけてきた映画プロデューサー・川村元気が初めて執筆した小説。脳腫瘍第4ステージ余命間もない主人公の目の前に現れた悪魔と「世界から何か1つ消すと1日寿命が延ばせる」という取引を結ぶというもの。「死」という重いテーマにも関わらず、ファンタジー要素がたっぷりで軽いタッチ。始まりがポップなので、サクサク読み進めることができます。生きるには、何かを得るためには、何かを失わなければならない。でも、奪ってまでも生きようとするのは切ない。生きるって、何だろう? と考えさせられます。母親の手紙のシーンには、ぐっとくるものがありました。佐藤健と宮崎あおいの共演映画化は涙が止まらなくなりそう。

第3位 『君の膵臓をたべたい』 住野よる(すみの よる)

間違いなくタイトルに目を奪われる、住野よるデビュー作。余命1年の、友達でもない、恋人でもない、ただのクラスメイトの女子高校生・桜良と、余命が短いことをひょんなことで知ってしまった男子高校生・春樹。この2人が徐々に関係を築いていくという、悲恋物語。「君の膵臓をたべたい」に込められた意味がわかるラストは必見ですし、この言葉は究極の想いの表現だと思います。ストーリーは切ないのに、2人の掛け合いに笑ってしまったり、ラストは春樹と一緒に泣いてしまったり。絶妙なタイトルから想像する結末、読み始めて想像する結末、ラストはその上を行く結末。この“良い意味で期待を裏切る”作品がデビュー作だなんて信じられない。住野さんって、一体何者!?

第2位 『何者』 朝井リョウ(あさひ りゅう)

第148回直木賞受賞作。朝井リョウと言えば、傑作「桐島、部活やめるってよ」のヒットも記憶に新しいと思います。学生生活において、努力ではどうにもならないスクールカーストの溝が存在することを等身大の若者の複数のポジションから描いた傑作青春小説。「SNSやってる?」が近年、どこに行っても合言葉になりつつあり、就職活動の場でも繰り広げられています。就活生の自意識をリアルにあぶり出していて、すごく考えさせられる作品です。

第1位 『天空の蜂』 東野圭吾(ひがしの けいご)

映像化不可能と言われていた「天空の蜂」を、「20世紀少年」「SPEC」「TRICK」で有名な堤幸彦監督が完全映画化し、向井理・綾野剛と言った豪華キャストが勢ぞろいし2015年9月12日(土)に全国ロードショー。ですが、映画を見る前にぜひ読んでほしい。最新鋭にして日本最大、全長34mの超巨大ヘリコプターを乗っ取り原子力発電所の真上に静止させるという“原発テロ”事件と、その危機に立ち向かう人々の8時間の攻防を描いた、衝撃の長編クライシスサスペンス小説。最後の三島さんの言葉が予言以外の何者でもありません。自衛隊と原発、今、全てがリアルタイムで問題になっていることを20年前に描いていた。東野さんは、やっぱりすごい!!

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