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アートディレクターと人の使い方【連載】広告代理店の現役アートディレクターが語る

中村征士 中村征士


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2. 消去法型

はじめに「こうはなりたくない」という条件を決めてしまって、それ以外ならどんなアイデア・表現でも大丈夫! という指示の出し方です。消去法型は「ダメなこと」だけがクリアで何でもアリなのです。「なりたいイメージ」がハッキリしていて動きやすいゴール設定型とは全く違うので、こういう指示を受けたスタッフは、恐らく始めは戸惑います。

ものをつくる人は自由に考える領域が広い方がいいのでは? と考えてしまいがちですが、自分で考えなければならないことが多くなるので、実は消去法型の方が大変です。人はある程度決まったルールの中で考えるのは得意で、僕も「自由に考えていいから好きにやってください」とクライアントから言われたら困っちゃいます。キャンペーンの成功と失敗の責任が全部自分の表現にかかってきてしまうのは重すぎるのです。

このやり方のいいところは、変なアイデアや表現が出てくる可能性が削がれないことです。長い間仕事を続けて経験がたまると、プロジェクトのスタートの時点でだいたいこうなるだろうなーと想像できてしまうことがあって、実際そうなることが多かったりします。気づかないうちにアイデアや表現の幅が狭まっているのです。それを個性や好みと言ってもいいのですけれど。

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