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東アジアの片隅で哀を叫んだ無職【連載】神様がボクを無職にした

フミコフミオ フミコフミオ


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「女の子のうち1人は牧瀬理穂に似ている」という事前情報が罠であったことに気づくのには1秒も要らなかった。3人の女性は揃いも揃って皆様綺麗にアゴが割れていて、横一線にならんでいる様はピスタチオナッツを収穫しているようで、ひどく悲しい気分になったのを昨日のことのように覚えている。

違う割れ目が見たかったけれど、ピスタチオナッツに人間の僕が本気になることはなかなか難しかった。それどころか、ピスタチオたちが妙にお高くとまるものだから、「命を賭してやってきたのに、ナッツから見下されている・・・何をしているのだ・・・」的な無常観がわき上がってきて、たいして盛り上がりもせずに当該合コンは終わった。このように、薬物テロのような大きな災禍を前に、ひとりの小市民の勇気ある行動など何の意味もなかったのである。

今も同じである。弾道ミサイルや黄金週間という災禍を前に、小市民以下のアルバイトの僕が勇気ある行動を示したところで何の意味もないのである。もし、今、正社員への登用が決定しても、黄金週間中に将軍様の無慈悲なミサイルが飛んできたらその内定は取り消されてしまうかもしれない。かもしれないという不安定要素に人生をかけることは、僕の年齢になると難しい。だから、黄金週間が終わるまで、いや、半島の混乱がおさまるまで、僕は就職活動を、しない。

将軍様にお願いしたいのは、もしミサイルを飛ばすのであれば、前に勤めていた会社の社長の自宅に落としてほしい。長々と定職に就かない理由を語ってきたが、それだけを祈ってこの怨念に満ちた文章を〆たいと思う。
 

【過去5回の「神様がボクを無職にした」はこちら】
ソンタクとかいいから仕事をくれ
全部、ノストラダムスのせい
妻に言われた一言で愛は死んだ
無職は冷たい玉座に座る
無職と正義

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