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無職は冷たい玉座に座る【連載】神様がボクを無職にした

フミコフミオ フミコフミオ


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才能や才覚や固定資産が皆無なうえ、両親から引き継いだ歪んだ性格のために窮屈で不愉快な思いばかりしている。昨年末に退職して無職フリーダムに堕ちて、めでたく、世間から羨望の眼差しの先にいるはずの自由人になれたのに、なぜだろう、より窮屈で不愉快な思いをしている。とにかく生きにくいのだ。

ツラすぎるからだろうね、茜色の夕焼けを見上げたり、通帳残高を眺めたりするだけで溢れてくる涙。正社員への道の想像以上の厳しさに自律神経がクラッシュしたのかもしれない。病院で診察を受けたいが自己負担額すら払えない。このような極限状態にあるときは、心を殺してネットニュースのコメント欄を眺めるようにしている。

そこに寄せられた市井の人たちの、コカ・コーラあるいは醤油のような黒く澄んだ精神、そこから発せられる無垢な声に僕は癒されるのだ。特に癒されるのは、知名度の低いアイドルの引退ニュースに寄せられる「どこの誰だか知りませんがお疲れさまです」「よくぞ今まで日の目に当たりませんでしたね」という類のコメントである。ああ・・・世の中には僕よりも一億倍も劣悪な人格をお持ちの、生き物的にオケラやアメンボに劣後するような方でも、人目に構わず(といえば聞こえがいいが)、誰からも相手にされなくても、強く立派に生きている。僕もまだ生きていていいのだ。世の中はまだ捨てたものではないのかもしれない。神様ありがとう、と。

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