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全部、ノストラダムスのせい【連載】神様がボクを無職にした

フミコフミオ フミコフミオ


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自分の人生にかかわることを他人のせいにするのは、あまりにも無責任で、一人の大人としてとても褒められた行為ではなく、『絶対にやってはいけないこと』と自戒しているけれども、真面目に生きてきた僕が40代も半ばに差し掛かった今、アルバイト生活に堕ちてしまったのは、全部、大予言者ノストラダムスのせいとしか思えないのである。
 

少年時代に、1999年7の月での人類滅亡を唱えたノストラダムス、199X年に世界は核の炎に包まれると宣言した北斗の拳、宇宙世紀0079年にジオン公告によるコロニー落としが行われると通告した機動戦士ガンダム、といった世紀末的な世界観、少年漫画的な終末思想を刷り込まれた僕にとって、1999年人類滅亡はほぼ既定路線だった。1999年の夏に25歳という人間として一番脂に乗った時期に死んでしまうという絶望は、僕の青春に影を落としただけでなく、人生そのものを陰湿なものに変えてしまった。

小学生のときにエイちゃんという仲のいい友達がいた。エイちゃんは心霊写真集収集の大家で、僕の家に遊びに来るときは心霊写真集を持ってきて、頼んでもいないのに貸し付けてくれた。おかげで僕はあらゆる心霊的な映像や写真、暗闇や墓場、ホラー映画、プレステの『バイオハザード』といったものに恐怖することがなくなってしまった。おそらく、人間が一生恐怖する分を使い切ってしまったのだろうね。過去の恋人たちから絶縁の際に「なんか人間味のない人だね」と言われるようになったのも無関係ではあるまい。

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