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アートディレクターと営業【連載】広告代理店の現役アートディレクターが語る

中村征士 中村征士


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距離感の問題

営業は基本的にクライアントのあらゆる悩みを全部聞かなければなりません。そして営業がクライアントにずっと寄り添っていると、クライアント側の目線にどんどんなっていきます。そこで起こりがちなのが内勤スタッフとのコミュニケーションの問題。

僕も営業時代にCMの社内打ち合わせでクライアント寄りの発言を連発して、スタッフのモチベーションをガッタガタにしてしまうことがありました。営業としては大きなお金を預けてくれているクライアントの意向もある程度は聞かなければならず、クライアントと制作側の板挟みになってしまうのです。

営業がクライアントに染まってしまうと他にも問題が出ます。生活者のキモチに目が向かなくなりがちになるのです。

キャンペーン成功のためには生活者がどう感じるかがとっても大切なのですが、クライアントの都合ばかりを優先してしまうと判断を誤ってしまうことがあります。例えば、マーケティングの調査結果をクライアント内で通りやすくするよう、見せ方に手心を加えてみたりするようなことです。

「誠実に見える、ちいさな不誠実」が積み重なっていくと、結果的には、キャンペーンの失敗、商品・ブランドの価値が下がるということが起こります。クライアントへの忠誠心と普通の生活者の感覚を、コインのウラ・オモテのように持つバランス感覚が大切です。

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