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アートディレクターとオリンピック【連載】広告代理店の現役アートディレクターが語る

中村征士 中村征士


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2020年に向けてのデザインの課題

アートディレクターの目で見て2020年のアートディレクションがどうなるのか、少し気がかりな部分があります(余計なお世話ですが)。

2020年東京オリンピックのシンボルマークはとてもシンプル(構成ではなくアイデアが)です。でも、たとえば柔道競技の会場の周りを飾る壁面などへの展開はどうなるのでしょうか? シンプルすぎてデザインの強度が足りないというリスクを感じます。他のエッセンスを加えて展開の広がりを持たせるのか、市松模様で全て乗り切るのか、などアートディレクターとしての腕の見せ所だと思います。

一方で、使い勝手のいい一面も見られます。リオオリンピックの閉会式で人より大きい四角い光のフレームがいっぱい出てきて、最後に整列して東京オリンピックのエンブレムをつくったシーンを覚えているでしょうか。大会のシンボルを分解してエッセンスを使ってデザインの横展開するアイデアです。あのような演出には、このエンブレムは使い勝手がいいのかもしれません。

結局どんなものをつくっても人は勝手なことを言う

前々回のロンドンオリンピックはエンブレムが印象的で、カクカクした文字が踊るようなデザインでした。発表してすぐに反対署名が集められて5万人分集まったそうです。誰もが文句を言わなさそうな保守的なデザインをすれば、つまらないと言い、逆に今までに無いようなデザインにすれば反対されてしまう。どっちにせよ文句は出るし、見てると馴れてくるのだからあんまり気にせずにハッキリとしたデザインにしちゃえばいいんですけどね。

街角のクリエイティブ ロゴ


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