• MV_1120x330
  • MV_1120x330

アートディレクターとデザイナー【連載】広告代理店の現役アートディレクターが語る

中村征士 中村征士


LoadingMY CLIP

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

先輩アートディレクターのこんなところが困る

毎回、言うことが違う

企画やデザインのことで打ち合わせをしていて色んなアドバイスをしてくれるのはいいのですが、前回と全然違うことを言ったりすることがあります。クライアントからの指示があったのか、気が変わったのか、単純に忘れているのか。先輩の思いつきでものを言われたことが「あまりよくないな・・・」と思ったとしてもカタチにしなければ怒られてしまうので、一応デザインして見せてみると「何これ?」と一蹴されてしまうのです。

言っていることが(知識がなくて)分からない

私達は、なんとなくアタマの中にあるビジュアルの説明をするときに、例えを使ってイメージの共有を図ろうとすることがあります。ただ、その例えがピンとこないことがあります。

私の場合、ファッションが大好きすぎる先輩が繰り出すファッションブランドの名前と広告ビジュアルが分からずに、生返事→メモを取って調べてビジュアルをつくる→イメージが違う、センスがないと言われる、またサンプルになるブランドの名前を言われて・・・などの悪循環で作業が進まないということもありました。その頃は、海外の高い雑誌を買って読みあさりました。今思うと写真のことを学ぶいい機会だった気がします。

ストライクゾーンが狭すぎる

ある先輩は自分のつくりたいもの(好きなもの)がハッキリしている方で、仕事がしづらく感じました。カンプ(提案用の仮ビジュアル)に対しても厳しいダメ出しをハッキリとします。どんなに時間が無くてもダメなものはダメ。作り直しを命じられます。こういう場合、ほんのちょっとの修正にもかなり時間がかかってしまうので、修正修正修正修正・・・といういつものパターンに陥ります。

これを回避するためにはあらかじめ幾つかのデザインパターンを作っておいて、ざーっと並べて見てもらい段階を追って絞り込んでいくのが有効なのですが、そんな時に限って「なんでそんなに広げるの」とサラッと言われてしまうのです。何度も仕事をして好みが分かってくると、そのあたりの呼吸が分ってくるので少しずつ馴れてくると思います。こういう先輩とは一緒につくるという感覚にはなりづらくて、自分が先輩の分身のようになっていく気がします。デザイナーの作業としては楽しくありませんでした。

街角のクリエイティブ ロゴ


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP