第7巻
最後は第7巻に掲載されている、このフレーズ。
我々は涙を流すべきではない
それは心に対する肉体の敗北であり
我々が心というものを
持て余す存在であるということの
証明にほかならないからだ
引用:久保帯人(2001年)『BLEACH』 集英社
なんてこった。このヘヴィーな中2心のグルーヴ感。ズンッ、ズンッとクラブミュージックの重低音が心に響くぜ。もはやキャラクターとあまり相関性はないポエムなのですが、著者は「師匠」なんでもうどうでもいいです。
We should never shed tears.
That is a defeat of our bodies against our souls.
It’s nothing else but a proof
That we cannot manage our souls.
★ 超訳英語のポイント
○ shed tears(涙を流す)
cry(泣く)はよく見ることがあると思いますが、これは「声を上げてワンワン泣く」に近い動詞です。涙を流すという動作には「無音」が付きまといます。そこでshed tearsという動詞を採用しました。
○ souls(心)
英語には、4つの「心」を表す単語があります。heart, mind, spirit, そして soulです。そしてこの違いは大きく下記で分かります。
heart → 感情的な「心」。たとえば失恋は heart brakingです。
mind → 頭脳で感じる「心」。たとえば「心構え、覚悟」をmindsetと言います。
spirit → 精神。開拓者精神はpioneer spiritになります。
soul → 魂です。
本来であれば感情的な心(涙を流したい気持ち)に対してなのでheartでもいいのでしょうが、今回は死神漫画、とくに魂が重要視されている物語なので「soul」と表記しました。
ここまで、『BLEACH』の魅力を徹底的にポエムの観点から見てきましたがいかがでしょうか。私は恥ずかしくて死にそうです。師匠のポエムは笑われることも多い反面、カッコつけたい中2心を満たしてくれる最高の作品でもありました。現在最終章に突入していますが、このまま完結したらいつか、巻頭のポエムだけ集めて、発売してくれないかなぁ……と願っています。
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