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20代の作家が書いた小説10選

街クリ編集部 街クリ編集部


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7. 『サイドカーに犬』
長嶋有(2001年)文藝春秋

長嶋有のデビュー作で実写映画化されたことでも話題となった作品です。母親が家出し、突如住み着くようになった父親の愛人ヨーコと、その父親の娘である10歳の薫とのひと夏の出来事を猛スピードで描いた作品です。語は子供の視点で描かれており、真っ直ぐに素直な子供らしさがありつつも、どこか子供とは思えない冷酷さも感じます。どこか欠落している大人と、大人の世界を理解している子供の不思議な関係が楽しめる作品です。芥川賞受賞作「猛スピードで母は」とカップリングされた長嶋有の第1作品集です。

  

8. 『土の中の子供』
中村文則(2005年)新潮社

芥川賞を受賞した作品です。土の中に埋められるなどの虐待を受けながら育った主人公は、世の中の何に期待をすればいいのか、なぜ自分が生きているのかさえも分からなくなるほど感情が欠落して大人になります。読み手も精神的に辛くなるほど主人公の虚無感や生き辛さが鮮明に描かれているので、自然と「暗さ」が自分を侵食していくような錯覚に陥るかもしれません。そして、自分と世界を肯定しようと“生”にしがみつく主人公の姿に、“生きる”ということについて考えさせられると思います。

  

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