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ミステリー小説入門編10選

街クリ編集部 街クリ編集部


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9. 『その女アレックス』
ピエール・ルメートル(2014年)文藝春秋

2014年に「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「本屋大賞」「イギリス推理作家協会賞」等を受賞。もう何冠なのか分かりませんが、超絶な高評価を受けた作品です。

はじめは謎の美女であるアレックスが誘拐され、倉庫のようなところで木箱に閉じ込められ衰弱しつつも自力で脱出するところから物語は始まります。これと並行して、誘拐事件を追うパリ警察の刑事が、誘拐の被害者(アレックス)および加害者の身元を突き止め、さらに未解決の連続殺人事件の捜査も進めていきます。

こちらは三部構成の第三部がすべての謎解きになるのですが、一部・二部で受けたアレックスの印象がまたガラッと変わる所が見どころ。陰惨・グロの評価もある本作ですが、アレックスの壮絶な人生と物語の反復の大きさが、読者を翻弄する面白さは期待を裏切りません。

 

10. 『セプテンバー・ラプソディ』
サラ・パレツキー(2015年)早川書房

シカゴの女性私立探偵V・I・ウォーショースキーが主人公のシリーズで、翻訳された最新刊です。ウォーショースキーシリーズは、『サマータイム・ブルース』(1985年、早川書房)が第1作目、この『セプテンバー・ラプソディ』が第16作目になります。このシリーズの魅力はなんといっても、本来金融調査が専門の私立探偵であるにも関わらず、巻き込まれるトラブルに果敢に対処して解決していく主人公ヴィクのキャラクターです。

本作は、診療所に助けを求め電話をかけてきた女性ジュディを探すうちにその女性の息子マーティンが行方不明になっていることを知ったヴィクは、祖母の依頼によりマーティンの捜索を開始します。ここから、第二次世界大戦時のナチスドイツのユダヤ人迫害、マーティンの曾祖母にあたる科学者マルティナの存在、物理の天才でもあるマーティンが勤めていたメターゴン社との関係と、物語は壮大かつ複雑に広がります。そんな中でも、ヴィクの面目躍如、麻薬密売グループとの銃撃等、タフネスな活躍が楽しめます。

まとめ

国内・海外ミステリーを交えて、時間を忘れさせてくれる作品を集めてみました。ただ、今回は本格ミステリー作品の紹介は少なかったかもしれません。論理的な謎解きミステリーよりも、時間・空間的な広がりを楽しんでいただけると嬉しいです。

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