3. スウィング・キッズ〜引き裂かれた青春〜(Swing Kids)
お次は1993年のアメリカ映画「スウィング・キッズ〜引き裂かれた青春〜」です。サブタイトルが盛大にダサいので近寄りがたい雰囲気ではありますし、映画の内容がそこまで高評価でない。という痛打もありますが、何にせよ演奏シーンとダンスシーンは一見の価値ありです。
舞台は戦時下のベルリン、物語で大きな役割を果たす“ジャズ”は敵性音楽として禁止されていました。しかし、駄目だと言われると禁を破りたくなるのは人間の性というものですし、音楽がかかれば踊りたくなってしまうのも、これまた人間の性です。
髪を伸ばしてお洒落をし、夜な夜なナイトクラブに繰り出してはダンスをする洒落者たちを描いているのですが、その中の登場人物のひとり、伝説のギタリスト(実在してますが)ジャンゴ・ラインハルトにあやかって「ジャンゴ」とアダ名を付けられたメガネのギター弾きの男の子が、楽団をバックに演奏するカウント・ベイシーの『Shout And Feel It』を演奏するシーンがこちらです。
Reference:YouTube
「ジャンゴ」のあだ名の通り、ジャンゴ・ラインハルトが使っていたマカフェリタイプのギターを使用していますね。実際にジャンゴが弾いていたセルマー社製のものかどうかは確認できませんでしたが、ギターキッズ感、そして音楽オタク感がひしひしと伝わるシーンです。
この映画、先程も書きましたが、あまり評価されていない映画です。確かに別にナチスじゃなくても良いですし、政治的な話を持ち込まなくとも他にやりようはいくらでもあるでしょう。上述の「ジャンゴ」と呼ばれる少年が涙が出るほどベタな演出で途中退場するのも「ちょっとそれはいくらなんでも」と思ってしまいます。
しかし演奏シーン、そしてダンスシーンの素晴らしさがそれらの残念な点を見事に打ち消してくれているとも考えられます。個人的にはそこまでシリアスではなく、細かいところを抜きにすれば肩の力を抜いてみれる良い映画です。興味のある方はぜひ。