「あの映画のあの服カッコいいよね」
映画が好きで洋服に興味がある方ならば、一度は話のネタにしたことがあるのではないでしょうか。また、そっくりそのまま映画の主人公を真似して気取って街を歩いていたところ、ショーウインドウに映った自分を見て絶望した。という黒歴史経験があるかたも少なくないかと存じます。
私も少し昔のことを思い出してみますと、「ストレンジャー・ザン・パラダイス」を観てハットを購入し、「ドラッグストア・カウボーイ」を観てスラックスを買いました。「ギャングスターナンバーワン」を観て梅ヶ丘でスーツを仕立て、「さらば青春の光」を観てM-51パーカーを買いました。「ハーケンクロイツ／ネオナチの刻印」を観てドクターマーチンを履きましたし、ついでにサスペンダーも購入したところ、腸の弱い私はう◯こがし辛いことに気付き途方に暮れたこともありました。それらは今でも、すべて大事に保管されています。
というわけで今回は、ファッションが秀逸な映画をご紹介していくわけですが、ファッション関係のドキュメンタリー映画や、ドレスの仕立てが素晴らしいオートクチュール物が出てくる映画などは除外させていただきます。また、いくらファッションがかっこよくても街中でその格好はちょっと･･･という作品も泣く泣く除外しています。たとえば「プリシラ」「時計じかけのオレンジ」などです。
では何が出てくるかと言えば、音楽と共に誕生したファッションや、ストリートカルチャーに根ざしたファッションが登場する映画を列挙してみました。これは当時のファッション（主に50、60、70年代〜00年代まで、特に70年代後半まで）に着用されていた洋服で、程度の良いもの（いわゆる古着というやつですね）が今はとんと少なくなってしまったため、資料価値のある動く洋服の映像として遺しておくべきだと考えているからです。なので、必然的に音楽に関連のある映画が多くなります。というか、なってしまいました。
ファッション関係の方には釈迦に説法、孔子に悟道でしょうが、業界を目指している学生だったり、単純にカッコいい洋服が観られる映画を知りたい、という方の参考になれば幸いです。
現代でも街着で着ていてなるべくおかしくなく、日々のスタイリングのアイデアに使えるものを選んでみたつもりですが、中には使えないものもあるかもしれません。これは好き嫌いの問題ですのでご了承いただけると助かります。
また、私自身は男性のため女性向けではありません。ただ、出てくる女性たちも可愛い服装ばかりです。正確には「こんな服装している女の子がいたらいいな」という男性の希望ということにはなりますが。
どれも素晴らしい映画なので話の筋や見どころなど、たくさん説明したいのですが今回はファッションという切り口ですので、トレイラーを観た方が確実に伝わります。ですので、説明はさらっと簡単にやっていきます。
