5. Keith Jarrett Trio『My Back Pages』
ジャズ/クラシックピアニストであるKeith Jarrett(キース・ジャレット)が1968年にドロップしたアルバム『Somewhere Before(サムホエア・ビフォー)』に収録されている『My Back Pages(マイ・バック・ページズ)』も、よく頭の中でループしてしまう1曲です。
キース・ジャレットのバージョンはインストなのですが、この曲のオリジネイターはボブ・ディランでして、歌詞を意訳すると「俺はとっても老けていたんだけど、今、俺はあの頃よりずっと若い」と歌われています。要は滅茶苦茶いい曲なんですよ。歌が入っていても、インストでも本当に素晴らしい楽曲だと思います。
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この曲のどの辺りが「くる」かと言えば、やはりチャーリー・ヘイデンが奏でるベースライン、そして音色、これが本当に腸に響いてジャズっと出そうになってしまうんですよね。よくベースラインだけがループしたりもしてしまいます。
また、幸運なことに便座を無事確保できたときには、気張る際についついキース・ジャレットが演奏中に出すあの「うめき声」を真似してしまいます。むしろ、これがやりたいがために頭のなかでループしだすのではないかと思ってしまうほどでして、窮地を乗り越えた安堵感とともに、頭の中ではループを抜け出し、あの美しいピアノのメロディが鳴り響きはじめ、トイレの中は祝祭と言っていいほどの多幸感に包まれます。
そして一息ついたとき、「俺はあの時は漏らしたけれども、今、おれの括約筋はあの頃よりずっと若い」と感じ入るのです。