4. Pat Metheny Group『The Heat of the Day』
音楽は聴く状況によって聴こえ方や効果が大きく変わります。たとえば映画の中で流される楽曲は、シーンの緊張感を高めたり、より強い感情移入を促したりなど、さまざまな効果をもたらしますが、それは便意をもよおしている際も然りです。
無事に便器まで辿り着けるかという緊張感、例え到着してもズボンをおろして便座に座るまでのタイムラグによる危機感をこれでもかと煽ってくれる秀逸な楽曲がPat Metheny Group(パット・メセニー・グループ)が鬼テクで奏でる『The Heat of the Day(ザ・ヒートオブザ・デイ)』です。
Reference:YouTube
イントロのギターと手拍子が焦りを加速させ、その張り詰めた空気感と不安になるほどの恐ろしいテクニックは、こちらのミスを許さないほどの強度を感じます。
そして、何よりわけが分からないほどの変拍子がこちらが動くタイミングをすべて狂わせ、肛門がプログレッシブに躍動してしまうわけなのですが、電車に乗っている時などはもう半端ではありません。便意と同時にこの曲が頭で鳴り響いたが百年目、過ぎ去る景色を眺めながら、人間は自分の無力を嫌というほど思い知らされることとなります。