2. 寺尾聰『ルビーの指環』と西城秀樹『ギャランドゥ』、そしてBilly Joel『Stranger』
ループしていた曲が切り替わるパターンと言えば、個人的にはもうひとつ挙げられます。それが寺尾聡が歌う『ルビーの指環』と西城秀樹の『ギャランドゥ』、そしてBilly Joel(ビリー・ジョエル)の『Stranger(ストレンジャー)』によるマッシュアップです。
いずれも超有名曲ですし、3曲も貼り倒すのは冗長かと思いますので、『Stranger』だけ、以下に貼り付けさせていただきます。
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脳内で流れる順序は常にまちまちでして、『ルビーの指環』のイントロから歌い出しが『ギャランドゥ』に飛んだり、『Stranger』の歌い出しが『ルビーの指環』や『ギャランドゥ』になったりと、その日の腹具合で違うのですが、節操のない、とっちらかった感じが漏れる寸前の危機感を否応なく高めてくれるのです。
ちなみに、無事に危機を終え一息ついたときには例外なく『Stranger』のイントロ部分で吹かれる口笛が脳内に流れ、もののあわれを感じさせてくれるのも特徴的ですね。
『The Kinks』もそうですが、普段は「ベースラインだけを暗誦しろ」と銃を突きつけられて脅迫されてもすぐにできるほど聴きこんだ楽曲なのに、腹痛(ペイン)と「漏れるかもしれない」という恐怖(フィアー)が混合すると、なぜかそのときだけ脳内で一緒くたになってしまうのには、毎回人体の不思議を感じます。
3. New Order『Blue Monday』
こちらも The Kinks と同じく英国が生んだ偉大なるバンド、New Order(ニュー・オーダー)の『Blue Monday(ブルー・マンデー)』もまた、よく頭の中でループする楽曲の筆頭です。
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別に便意を用いなくとも大好きな楽曲でして、ピーター・サヴィル大先生が手がけた1枚売れるごとに2ペンス損する損得勘定抜きのクリエイティブが発揮された素晴らしきジャケット・デザインと共に永遠に語り継がれるべき、そして聴き続けられるべき名盤であることは言うまでもありません。
「ドッドッ、ドドドドドドドド」と音は聴こえていずとも、脳内ループするだけで腸に響き渡る印象的なイントロは、そのタイミングに合わせてブツが降下してくる気持ちになりますし、ロンドンはマンチェスターの一種特異なキリリとした雰囲気が腸を収縮させます。
便意を催し、イントロが頭の中でループしたならば、そこはもう伝説のハシエンダ。眼前にはトニー・ウィルソンのご尊顔がうっすらと浮かび上がります。そして今は亡きイアン・カーティスを偲びながら慟哭し、身体中から水分を出し続け、デトックスを遂げるのです。