徒歩◯◯分を井手らっきょ表記にしようとして断られる
某バーの地図を製作するときの一コマです。そのバーは駅から遠く、住宅街にあったので「■■駅▲▲口から徒歩◯◯分」と表記すると「正直、遠すぎて行きたくねえなあ」と思ってしまうほどの距離でした。
それなら入れなきゃいいじゃねえかと思うのですが、なぜか先方は地図=かかる時間を表記することにこだわっておりまして、これは絶対にマストである。ということでした。が、打ち合わせを重ねるうちに本人も正直遠いと思っていたようで、何かよいアイデアはないかと打ち合わせをしていたんですね。
そこで、まず「徒歩じゃなくて走ってみてはどうだろうか」という提案をしてみました。走ったら半分くらいは時間が短縮できますし、ショップカードを見る人の半分くらいは、正直徒歩◯◯分の箇所を注視するとは思えません。
この提案は「でも、走ってくる人はいないよね」の一言であえなく却下されることとなります。よく考えたら私も走ってバーに向かったことは人生で一度もありませんでした。この時ほど目から鱗が落ちたことはありません。
しかし、鱗を落としている場合ではありません。徒歩◯◯分問題に決着を付けなければいけないのです。問題を解決するのがデザインという仕事です。すでにこの時点で私は代案を用意していました。それは、「井手らっきょが全力で走った場合にかかる時間を表記して、より分数の短縮を図る」というものでした。オーナーが「風雲たけし城」のファンだということは調査済みです。
結局、この提案も「井手らっきょは好きだけど、今の若い子はたぶん知らない人が多いよね」と一蹴され、あえなくボツネタの墓場に埋葬されることとなります。
地図は分数表記を抜いて作りました。