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細野晴臣ライブレポート〜『デイジーワールドの集い』で1年を締めくくれた幸せ〜

加藤広大 加藤広大


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ついに降臨する細野晴臣

『You May Dream』を歌い終えたところでステージ上には、小脇にiPadを抱えながら、ついに今夜のホスト、細野晴臣が登場。

「ちょっと話そうか」

そう言うと、ファン垂涎の思い出話や近況報告が始まります。日本のロックを支え続け、今も創り続けている二人の微笑ましい暖かい会話。暖かな拍手と笑いが溢れます。

中でも、まさかのニューイヤーロックフェスティバルの話を皮切りに、鮎川誠が細野晴臣に向かって日本ロック史にのこる事件、『日本語ロック論争』の話を振った時に会場が若干ざわついたのは、一生忘れられない思い出になりました。これ、内容は当日居合わせた人だけの秘密にしておきましょう。もう飲み屋で5人くらいに話してますけど・・・

そんな小ネタ(というより大ネタ)を挟んだあと、ついに細野晴臣、伊藤大地、伊賀航、そして高田漣の細野晴臣グループと、鮎川誠のセッションが始まります。まるで水を得た魚、いや、むしろそのままギターを得た鮎川誠のように、ともすれば、アル中が2杯目のコップ酒を飲むと震えがピタっと止まるように、間違いないブルースがピックアップから溢れるほどのギターソロが鳴り響きます。高田漣のペダルスティール・ギターも負けてはいません。その掛け合いはテンポよし、心地よし。ボトムを支える伊賀航、伊藤大地のリズム隊の安定感もさすがの一言、そして、さらに音楽全体を包み込むような細野晴臣の低く、よく通る、声、声、声。

もちろん鮎川誠に続いて斎藤圭土も登場します。ブギウギピアノが旗を振りながら楽隊を先導し、その手から弾き出された音に追随するバンドが紡ぎだすグルーヴは、会場中に飛び散って跳ね返らんばかに音楽を鳴り響かせて、青山の夜を暖かな色で塗りつぶしていきます。目を瞑ってたばこを一服、ふと目を開けるとそこはニューオリンズでした。ちょうど珍妙なTシャツを着た外人が目の前に居たのがさらに異国情緒を加速させます。

そんな幸せな夜の最後のシメは、ホーギー・カーマイケルのカヴァーで、アルバム『泰安洋行』に収録されている『香港ブルース』。この曲、今年発刊された『SWITCH SPECIAL ISSUE 70’s VIBRATION YOKOHAMA』の付録に、当時の細野晴臣が歌う『香港ブルース』の映像が付属していたのですが、それを観て以来ずっと聴きたかった夢が、この夜叶いました。

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