一冊の本がある。
開くと「富岡市立富岡中学校 2年」と印刷された原稿用紙に、下手くそな字でめちゃくちゃな文章が書かれている。1998年、私が中学校2年生のときに書かされた、自伝のような作文集である。それによると、どうやら14歳の私は、Mr.Children(ミスチル)がお気に入りだったようだ。
2017年の今年、彼らはめでたく25周年を迎えるらしい。
なので、今日はミスチルについて少し書いてみたい。
98年といえば、日本は長野オリンピック・パラリンピックに沸き、フランスではワールドカップが開催され、パキスタンは核実験をおこない、北朝鮮はテポドンをせっせと三陸沖に打ち込んでいた。Googleが設立されたものこの年である。
創業当時のGoogleロゴ(出典:ASCII.jp×デジタル)
この頃、ミスチルはもとより、音楽市場全体がとても盛り上がっていた時代でもあった。
オリコン年間シングルチャートをみてみると、1位はGLAYの『誘惑』で161万1920枚。2位以下はSMAP『夜空ノムコウ』、3位はSPEED『my graduation』と続く。
活動休止から復活したL’Arc-en-Cielは年間を通じて7枚ものシングルをチャートインさせ、同年に夭逝してしまったhideのバンド、hide with Spread Beaverも4枚出したシングルすべてをチャート内に送り込んだ。
さらに、デビューしたてのMISIAは『つつみ込むように・・・』で61位に、Coccoも『強く儚いものたち』を68位にランクインさせた。そして、年末には宇多田ヒカルが『Automatic/time will tell』をリリースし、後のヒットチャートを牽引していくこととなる。
肝心のミスチルは『終わりなき旅』で19位、『ニシヘヒガシヘ』で35位、それぞれ92万枚、66万枚を超える売上を叩き出した。
終わりなき旅(出典:ローチケHMV)
月間で1万枚も売れればトップ50に入れるであろう現在の状況から考えると、とんでもない売上であったと同時に、どれだけ世の人がCDショップに足を運び、あの細長い8cmシングルを購入していたことか。なんだか遥か昔の話のようである。