私事ですが就職しました。
「無職である者、心も無色、すなわち清らかな人間である」と自らを鼓舞し、夏は氷を脇に挟み、冬はコタツを体に縫い付け、ほとんど動かずダラダラとしていたわけですが、色々わけありの急展開です。
とはいえ、全く仕事をしてなかったわけではありません。このコラムも仕事なのです。しかし一本8兆円の原稿料だけじゃさすがに食べてはいけず、失業保険だってやがてなくなります。
そのような、いたって普通の焦燥感も多少はありつつ(もっと焦れよ)、色々わけあって、毎朝決まった時間に出社し、醤油もソースもわからないようなクライアントとのやり取りの果て、やることもないのに周りが帰らないからなんとなく帰りづらい、と言われている世界へ身を投げ出すことになりました。
さて、何がクライアントファーストだ、馬鹿らしい!! と、叫ぶ用の壺を購入し、街をぶらぶらと歩いている時のことでした。
とある映画のキャッチコピーが目に飛び込んできたのです。
「全ての働く人に贈る 勇気と感動の実話」
全ての働く人・・・。
がっつり自分もターゲット層に取り込まれているではありませんか!! 無職の頃の自分が、絶対に見てはいけない映画です。
俺は働いているのだ! と思わず購入した壺に叫んでいました。
ということで、今回はそんなキャッピコピーが輝く感動作、「ドリーム」について語りたいと思います。
舞台は「エイベックス・ドリーム2000」オーディション。主人公が約12万人の中からグランブリに選ばれるところから物語が始まります。
出典:avex net
違いますね。
知らない人はすいません。知っている人は懐かしんでください。一回このくだり消しときます。うまく消えてるといいけど。
こちらの写真でした。
出典:IMDb
似たようなもんですね。
NASAで働く天才黒人女性らが、差別と闘いながらも、偉業を成し遂げるというお話です。
この映画では、前例がないことこそ、やる価値があるのだ! としきりに唱えています。確かに我々は、ついつい前例のあるやり方にとらわれ、従来通りのステップを踏みがちです。知らぬうちに、何事もなく終わらせたいという事勿れ主義に支配され、「良いものを作りたい!」という初期の欲求は、いつの間にか消えています。クライアントに怒られなければいいというミッションにすり替わっているのです。どうしちゃったんだよ俺!!
ということで今回は、自戒の意味を込めて、前回までのやり方を踏襲せず、前例のないアプローチで今作の本質に迫ってみよう思います。
題して、「ドリーム」に届けられたコメントランキングベスト10! です。表題の通りです。
各業界の著名人から映画に送られた一言コメントをとりあげながら「ドリーム」を多角的に検証できないかという試みです。けっして作文が面倒くさいからとか、仕事が忙しいからとか、そういった消極的な理由ではありません。昨今の適当なコメント文化を野放状態にしておくのも良くありませんので、ここらで一回シメておくという大義もあります。コメントは映画のホームページより勝手に抜粋させていただきました!
まぁ一言で言うと、週刊文春の『川柳のらりくらり』みたいな感じだと思っていただければ(前例あったわ!!!)。ちなみに評価の基準は「このコメントわかるわー」です。