それでは発表します!
第10位
“疑いなく、今年最も感動的な物語の一つ”
−ピート・ハモンド/デッドライン誌
出典:ZIMBIO
<最も感動的な物語・・・・・・の一つ>という、最もが一体何個あるのか? と、よく突っ込まれるパターンの表現に、ハモンドさんはわざわざ<疑いなく>と添えていますが、こちらが思わず疑ってしまうというコメントです。「今年最も感動的な物語!」でなぜ言い切らないのか。なぜ「の一つ」と予防線を張ってしまうのか。別にいいじゃないですか。後で何を言われたって。もう少し大胆に生きてもらいたいです。トレーラーの中でも使われているってことは、ハモンドさんはよほどの権威なのでしょう。だったらなおさら。
一応このタイミングでトレーラーを貼っておきます。
Reference:YouTube
ちなみに「ダンケルク」のハンス・ジマーの音楽に関しては、「彼のキャリアで最高」と、そこは言い切っているみたいです。
第9位
“61年、69年共に、技術の進歩を実感する出来事として記憶に残っています。その陰で、このような女性の活躍があったとは、また、この時代にアメリカでこんなに女性が差別されていたとは、夢にも思いませんでした。有能な女性がポジティブに扉を開いていく努力と活躍、それを受け入れる先進的な管理職の存在。久しぶりに、とても気持ちの良い映画を見ました。”
−出井伸之(クオンタムリープ株式会社 代表取締役 ファウンダー&CEO)
出典:ニッポンの社長
ちょっと長いのがマイナスではあるものの、誠実で奇をてらわない品のあるコメント。ソニーの社長のイメージが強い出井さんですが、もしかしたら「先進的な管理職の存在=ケビン・コスナー」に自分を重ねていたのではないでしょうか。俺だって差別なんかせずに、どんな奴でも有能であれば受け入れてきたよ、とね。遠回しでそんな自意識を感じなくもありません。ちなみに今作、ケビン・コスナーが良いです。「ウォーターワールド」「ポストマン」の流れでトラウマになり、それ以降彼が出ている作品をどれひとつ見てはいませんでしたが、その反動も手伝ってか今作ではとても渋くかっこよく描かれていました。是非ともトイレの看板をぶっ壊し、ちゃんと片付けるケビン・コスナーをご覧ください。
第8位
“先人たちの、それも不当な扱いに甘んじて来た女性たちの知識と知恵が、今の私たちを造った。2回、3回、15回と観たくなる映画です。”
−矢野顕子(音楽家)
出典:音楽ナタリー
2回、3回、15回・・・え? 15回?? さすが矢野顕子さん。「コーヒーを入れたなら、少し話そうよ、みんな・・・・・・」で突然終わり「みんながなんだってんだよ!」と謎を残すあのCMのように、突然の15回は同じく謎めいています。伝説の音楽番組「夜もヒッパレ」の「見たい、 聴きたい、歌いタイ!」と語感が一緒なのはただの偶然なのでしょうか。なんとなく飛ばされた4回〜14回が少し不憫で第8位。
第7位
“間違いなく今年一番ハッピーな気持ちと元気をもらえる映画。要チェックは主人公を含めた NASAで働く女性たちのファッション。おしゃれで素敵なのはもちろんなんだけれど、抑えた色調なのにカラフルで、多様性を求めてハードルは高いけど乗り越えていく彼女たちの気概が表われているようで素晴らしい。”
−南馬越一義(BEAMS 創造研究所 シニアクリエイティブディレクター)
出典:QREATORS
<間違いなく>と断定しているあたり、ピート・ハモンド氏にはない潔さを感じます。きっと南馬氏は、このような強い断定口調で自信をみなぎらせ、BEAMSの中でのし上がっていったのでしょう。ファッションに目を向けられたコメントなのですが、職業柄つい目が行くのか、それとも自分が求められている解をしっかりとわかっているからなのか。
彼が言うように本当に<抑えた色調なのにカラフル>なのかを、もう一度トレーラーで確認してみると・・・・・・確かにそんな気がしないでもありません。抑えていても滲み出てしまう凄い才能を表現しているのでしょうか。
なるほど。ファッションからメッセージを読み取ることができるのか。普段から全くファッションに興味がなく、法に触れるから服を着ているだけの自分にとっては目から鱗です。
ただ、<多様性を求めてハードルは高いけど乗り越えていく彼女たちの気概が表われているようで素晴らしい>という文章が一瞬よくわからないので、もう少し練って欲しいといったところ。