それではベスト3の発表です!
第3位
“『ラ・ラ・ランド』を超えるヒット。とは言っても登場人物は全く誰も踊らない。しかし見終わった我々があまりの感動に踊り出す!”
−立川志らく(落語家)
最近はテレビのコメンテーターとしてもひっぱりだこの志らく師匠ですが、ここでもまたお得意の一言コメントをかましています。選出されたコメントの中で唯一とんち構造が効いているのもさすが落語家。と言いつつ特筆するほど気が利いているってわけでもない。もちろんこれもあえてのこと。あまりに上手いこと言ってしまうと、映画に関係なくコメントだけが浮いてしまいます。あくまでも映画に添える一輪の花。目立たず、やりすぎず、鈍い切れ味で調整できるのも粋と余裕のなせる技。笑かしすぎると品がなくなっていけません。これぞ江戸前。そういうことだよね?
第2位
“頭がいいんだろうけれどクソ答弁するカッコ悪い人ばかり見る日本にいるので、「頭がいい人って、本当はこんなにカッコいいんだ!」と強く感激しました。”
−花くまゆうさく(漫画家・イラストレーター)
おもわずありがとうといいたくなるコメントです。どさくさに紛れて普段思っていることを、ここぞとばかりに発露してくれました。さすが、ブラジリアン柔術黒帯の格闘家らしい血の気の多さです。ゆるい絵からは想像できませんが。
言い返せないような見事な論を張る人間は、一見頭がよさそうで、一目置かれがちですが、そのほとんどが狡猾なポジショニングトーク。いくら論が正しくたって、それじゃ相手に行動を促すことはできません。本当の頭の良さというのは、目の前の勝利には目もくれません。むしろ負けるが勝ち。劇中でも彼女たちは、女のくせに、黒人のくせにと罵られながらも、わざと負けながら生きてきました。本当に大事なものを知っているからです。そんな彼女たちだからこそ、多くの人間に動機付けできたのはないでしょうか。
第1位
“知らなかった! 米ソの宇宙開発競争の裏に、こんなドラマが隠されていたとは・・・あらゆる意味で最上のエンターテイメント。脱帽!”
−辰巳琢郎(俳優)
出典:辰巳琢郎オフィシャルHP
知り合いの舞台を観に行き、感想をメールで送らなきゃならない時の内容みたいなコメントです。何も書くことがなく、面白かったことにして振り切ろうとする感じが最後の<脱帽!>によく表れています。ああ、なんかよくわかるなぁこの感じ・・・・・・ということで第1位になりました。<知らなかった!>と、知識を得られたことに喜びを感じているようですが、これもまた作品のクリエイティビティが微妙な時のおきまりパターンでもあります。そりゃ知らなかっただろうよ。俺だって「宇宙戦争」見て、トムクルーズがピーナツバターのパンをあんな風に投げるなんて知らなかったよ。まぁ辰巳さんの場合は、雑学王という自負もあるからその観点から書いているだけなのかもしれないですが・・・。
ということで「コメントランキングベスト10でした」。なんでもランキングにすればいいってもんじゃない! という自分のルールを打ち破っての狼藉なので、まじりっけなしの前例なしです(自分にとっては)。
最後に、惜しくもランキング圏外になってしまったコメントをご紹介します。
“みんなが宇宙に憧れて、みんなが一つになれた時代に、みんなに外れてみんなのために戦う天才達がいた。何がクライアントファーストだ馬鹿野郎。”
-シーズン野田(脚本家・イラストレーター)
スタッフの皆さんお疲れ様です!!