「ニホンジントノコドモガホシイ。WILL YOU MARRY ME?」
そして遂にいただいてしまった“Will You Marry Me”というスイートなフレーズ。人生で初めてのプロポーズを、まさかアフリカのタクシーの中でいただくとは誰が想像できようか、否出来まい。プロポーズの言葉を放った時の彼は、興奮状態からは幾分まともな状態へと戻っていた(言ってることは全くまともじゃないが)。
人間とは面倒くさいもので、こういう状況に陥った時、少しでも自分に良くしてくれた人間に対してバッサリ切ることに躊躇を覚えてしまう。無論私もその類の人間だ。
断った理由が全くイケていない件
「父は国会議員だけど汚職事件で警察の取り調べを受けている最中(ウソ)。母は還暦を越えてから染物職人を目指してアジアへ旅に出た(ウソ)。そして私は兄と姉の子どもをすでに2人育てている(ウソ)。国で待っている人たちがいるの。だからごめんなさいここで降ろして・・・」
いま自分で書いていても鳥肌が立つほど面白い部分が見当たらないこの文句(穴があったらもっと深く掘って上からセメントで固めてもらいたいほど恥ずかしい)。
そう言うと、「分かった」と納得した様子のビッグ・ベン。
「(ギャグかよオイ)」
そう心の中でツッコミを入れたあと、100%納得したビッグ・ベン自らがタクシーのドアを開けてくれた。そして無事、そそくさとビッグ・ベンのタクシーを去ることに成功したのだった。このおかげで、私のモロッコ旅行の思い出がほぼ「タクシー内の出来事」で埋め尽くされてしまったのは言うまでもない。
日本人女性の「大人しい、抗わない、素直」というようなステレオタイプなイメージはまだまだ根付いているようですね。トルコあたりでも日本人がよくこの類の絡まれ方をしていると聞きます。私の場合はネタとして「面白かった」で済まされますが、危険もたくさんあります。危険回避のためにも、旅先では常に鼻ク◯をほじったりしていれば、日本人女性のイメージも少しは変わるかもしれませんねぇ。
まあそんな評価はこっちから願い下げですがね。
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宿泊したリヤド(屋上) -
宿泊したリヤド(室内)