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「デトロイト」恐怖の悪眉毛による地獄の40分間一本勝負

加藤広大 加藤広大


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detroit

やっと終わった悪夢の後は、若干の消化不良が残るものの

悪夢もやがて終わりを迎えるが、その後の展開が正直ちょっと蛇足だったのではと感じてしまった。これは冒頭〜尋問シーンの終わりまで一切気を抜けなかったため、「ああ、やっと終わった」と弛緩してしまって、後はウィニングラン的に流して観てしまったという、こちらの落ち度もあるにはある。

ディスミュークスが事件後どのような目に遭ったのかや、ラリーの夢の行方、そしてあの悪徳警官共の処遇など、気になる部分はしっかりと描かれているし、何なら「こっちの方が尋問より悪夢なのでは」という程なので、目くじらを立てるほどではないのだが、「急に社会派ドラマになりましたね」といった具合で、いきなりまとめにかかられたようで消化不良に陥ってしまった。

しかし、これは見方を変えれば綺麗なまとめ方ではあるし、終劇に向けて段々と気分を落ち着けるための整理運動でもあると言えるので、作品としての傷には決してならない。そして繰り返すが、ラストの『It Ain’t Fair (feat. Bilal)』は、音楽の力ですべてを浄化し、劇場という閉鎖空間から出ていく力を観客たちに与えてくれる。

ところで、観ている最中ずっと思っていたのだが、キャスリン・ビグローにはこのノリで、ぜひゾンビ映画を撮っていただきたい。政府の極秘地下研究施設で拷問と人体実験を受け続けた男が突如ゾンビ化し、生前の記憶を頼りに所員を拷問にかけ仲間を増やしていくという、「トーチャー・オブ・ザ・デッド〜地獄の拷問ゾンビ」は、おそらくRotten Tomatoesで12%くらいの評価に落ち着くだろうがとても観てみたい。クラウドファウンディングするなら50万までなら出す。

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