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ダンケルク【連載】田中泰延のエンタメ新党

田中泰延 田中泰延


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いいものもある、だけど悪いものもある。

映画「ダンケルク」

 

みなさんこんにちは。田中泰延です。ひろのぶと読んでください。青年失業家、要するに無職の僕が映画や本、音楽などのエンタテインメントについてお話するというこの連載「エンタメ新党」。
 

「自腹で払い、言いたいことを言う」がわが党のポリシーです。これを掲げている限り、一生映画会社から試写会にも呼ばれませんし、DVDやBlu-rayもタダで送られてきません。くそう。

 

さて、この連載は、このように映画の回だけまとめられてはいます。

https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/07/2671a69ef87605fa815cdb5b8049274a.jpg

が、映画に限りません。
 

フィフティ・シェイズ・ダーカー
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以来、映画のお話はしばらく空いてまして、その間は
 

小説の話、

『ボクたちはみんな大人になれなかった』
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音楽の話、
マキシマム ザ ホルモン
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Photo by Kazushi Hamano
 

をしましたが、その間、映画を観てなかったわけではないんです。
 

ですが映画にも、あくまで僕にとってですが、いいものもある、だけど悪いものもある。「これは面白いな〜、みんなに教えたいな〜、観た人と話したいな〜」と思えないとなかなか書けないもんです。
 

では、この間に観た映画、よかったところも、あれ? これはどないやねん・・・と思ったところも含めて書いていきましょう。
 

最近観た映画

2017年7月17日
「ハクソー・リッジ」
監督:メル・ギブソン

http://eiga.k-img.com/images/movie/85972/photo/6d42b2b74ce0f397.jpg?1493259521出典:映画.com

【よかったところ】

●2006年の「アポカリプト」以来、待ってましたのメル・ギブソン監督作品。腕はちぎれる、内臓は飛ぶ、「これでもか」の容赦ない戦場の描写。

丁寧な人物造形。「これでもか」のゴア・シーンは、主人公が衛生兵だから、必要なシーンだったとわかる。

【あれ? なところ】

ポップコーン食べるの無理。
「これでもか」のゴア・シーンが夢に出ました。

●1995年の「ブレイブハート」以来、一貫して「信念を貫き通す」主人公がテーマだけど、主役がスコセッシ監督の「沈黙 —サイレンス−」(<前編>沈黙【連載】田中泰延のエンタメ新党”<後編>沈黙【連載】田中泰延のエンタメ新党”)と同じアンドリュー・ガーフィールドで、似たような踏み絵的なシーンであれ? なんの映画観てるんだっけ? と思いました。
 

2017年9月2日
「関ヶ原」
監督:原田眞人

https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/21433265_372554499843097_2627278653940073149_n.jpg?oh=352bb3ec1b2d9aff084894a6605a13eb&oe=5A847AF5出典:「関ヶ原」公式Facebook

【よかったところ】

●一年かけてやるような大河ドラマを早回しみたいに2時間で観れた。

【あれ? なところ】

●この「エンタメ新党」でも

「駆込み女と駆出し男」 
「日本のいちばん長い日」

2度も褒め倒した原田眞人監督、ほぼ同じスタッフで3度目の正直、だったのに、これはどうしたことでしょう。

●石田三成役の岡田准一、いい人すぎて、そんなにいい人ならもっと味方がいただろうに・・・と思ってしまいます。

●司馬遼太郎の原作小説の出だしを読み上げて始まる。子供時代の司馬遼太郎のシーンまで出てくる。当然この調子で司馬遼太郎の語りで進むのかと思ったら・・・どこ行ったんでしょうか。

●有村架純・・・えーと、言いにくいですが、有村架純は好きですが・・・えーと、その、有村架純・・・この映画に要る?

●合戦シーンに新機軸がなく、普通のチャンバラだった。・・・もっと俯瞰で見たら戦場はこうなってたとか、実際にはどのような状態で武装集団の勝ち負けが決まるのかが不明なままでした。「槍は刺すものではなく、相手を叩いて殺す武器だった」という描写だけは新鮮だったけど。

●岡田准一のラストシーンが・・・あれ? これ「永遠の0」と同じ勝手な終わり方じゃね?

●なにより困るのは、パンフレットを買ったら撮影部、照明部、録音部、衣装部、などなどスタッフの死ぬほどの苦労話が山ほど書いてあって、あまり悪口が言えない雰囲気なこと。ずるい。
 

2017年9月16日
「エイリアン:コヴェナント」
監督:リドリー・スコット

http://eiga.k-img.com/images/movie/83604/photo/2f86693dd13db465.jpg?1494319403出典:映画.com

【よかったところ】

●とにかくエイリアンならなんでもいい。

●とにかくリドリー・スコットならなんでもいい。
 

【あれ? なところ】

●大傑作「オデッセイ」
であれほど緻密に大気や重力を描いて見せたスコットきょうですが、「プロメテウス」から続くこのシリーズでは、宇宙はただの寓話空間、神話空間。SF的考証もへったくれもないスペース・オペラ。

登場人物が全員頭が悪くてツッコミどころが多すぎて、椅子から落ちそうになる。死に方がみんな「ファイナル・デッドコースター」クラス。人類は賢くて明るくて素晴らしいという人間賛歌「オデッセイ」を撮った監督なんだから、悪意あるギャグにしか見えない。

●そもそも不滅の名作、1979年の「エイリアン」では、①サスペンス演出の確かさ ② H・R・ギーガーのセクシャリズムに根ざした造形デザインの凄さ ③人間への肯定であり、ジェームズ・キャメロン監督の快作「エイリアン2」へとつながっていく爽快感、の3本柱があった。

●しかし、「プロメテウス」以後、どうも「エイリアンはなぜ生まれたか」「人類は宇宙人が作ったのか」「人類はダメな存在なのか? 代わってロボットは神になれるか?」みたいなややこしい話になってしまった。
 

●まだ続きがあるそうです・・・行くけどさ・・・。
 

2017年9月16日
「ベイビー・ドライバー」
監督:エドガー・ライト

http://eiga.k-img.com/images/buzz/66043/3c985f686a9c3cb2/640.jpg?1497349395出典:映画.com

【よかったところ】

●いやもう、いろいろ最高です。

●詳しくはこの『街角のクリエイティブ』の加藤広大さんの記事
「ベイビー・ドライバー」回転する映画、回転する音楽
をご覧ください。

【あれ? なところ】

●冒頭の軽快さから、まさかのヘビーな展開へ。これ、予想外。アクションコメディかと思ってたら違った。意外と「ターミネーター」で、意外とデヴィッド・リンチ監督の「ワイルド・アット・ハート」だった。びっくりした。

 

・・・いかがでしょうか。珍しく短評みたいな感じで書いてみました。
まぁ、映画は基本的にはなんでも面白いんですけど、僕も褒めるばっかりじゃないんですよ。

 

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