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【バイトするなら】ちょっと変わったアルバイトレポート「学生服の採寸」編

加藤広大 加藤広大


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飲食店や、コールセンター、家庭教師からパチンコ屋など、世の中にはさまざまなアルバイトがありますが、あまり知られていない、マイナーなアルバイトも存在します。

わたし自身、そういった胡散臭いマイナーなアルバイトを複数経験していますが、今回は、いろんな意味で“おいしかった”「学生服の採寸アルバイト」を、過去の記憶をサルベージしながら、物語仕立てでレポートいたします。

ことのはじまり。焼き鳥屋でヘッドハンティングされる

なぜ、このようなアルバイトを経験したのか? という経緯は、割と昔に遡る。

東京のとある小さな街の小さなコの字のカウンターしかない焼き鳥屋に、おれはほぼ毎日通いつめていた。毎日通いつめていると、同じように雁首揃えて居座る常連さんとも次第に話すようになる。そこで出会ったのが、自称「ユニフォーム会社」に勤務する金さんである。

ある日の夜、いつものように閻魔の緑茶割りを飲みつつ、ネギマを齧りながら金さんと話していた時、彼は思いついたようにこう切り出した。

「広大くんって、今仕事してないよね?」
「してませんね……」
「暇?」
「暇といえば暇です」
「じゃあさ、うちでアルバイトしてみない? 服飾の専門出てるよね?」

金さんは知心剣を空いたグラスに入れて水割りを作成しながら、おれの反応を待つ。

「いちおう出てますけど……おれ、服とか作れませんよ?」
「ああ、そういうんじゃなくて、制服の採寸。学校行って新入生の制服のサイズ測るの」

それを聞いた瞬間、おれは齧っていたネギマの串を皿に置いた。念の為に言質を取らねばなるまい。

「そ……それって……合法的に高校とかに入れるってことですかね?」
「まあ…そうなるんだけどさ笑」
「やります。おれ、夢だったんです。制服の採寸するの。で、いつからですか?」
「とりあえず、連絡するから今度会社に面接においでよ」
「分かりました。連絡お待ち申し上げております」

得てして、酒の席でのこういった話は無かったことになることが多いのであるが、後日金さんから連絡があり、面接の地、両国に降り立つこととなる。

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