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「ポルト」評「パターソン」と併せて観るべき、異国の夜の一幕寓話

加藤広大 加藤広大


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今週のコラムは映画評ということで、「ポルト」について書いていくのですが、ネタバレもへったくれも無い作品ですので、まずは惹句じゃっくを引用してみます。

「異国で出会った男と女。過去と未来の記憶が交錯するラブストーリー」

まさに、これ以上も以下もないお話で、ポルトという街で出会ったアメリカ人のジェイク(アントン・イェルチン)と、フランス人留学生のマティ(ルシー・ルーカス)がカフェで出会い、一夜を共にします。ここが「異国で出会った男と女」の部分です。

ジェイクとマティは、「あの夜のこと」をそれぞれ思い出し、ジグソーパズルのように散りばめられた記憶の断片は、劇中で少しずつめ込まれ、形を成していきます。ここが「過去と未来の記憶が交錯する」部分ですね。

と、どこかで見聞きしたような使い古されたストーリーですが、いざ本編を観てみると不思議と新しさすら感じる映画であり、様々な仕掛けや目配せが十重二十重に用意されています。

それは後述するとして、まずは雰囲気を確認するためにも予告編をどうぞ。

Reference:YouTube

そうそう、「予告」と言えば、本作は日本版のチラシデザインがとても素晴らしい。邦題や説明山盛りポスターがディスられることは良くありますが、良いデザインが褒められることは少ないので、ここは紹介しておいた方がフェアというものでしょう。

日本版チラシはこちら。私物のため折り目がついてしまっています。申し訳ございません。

https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/10/porto_fly.jpg

映画の雰囲気も良く出ていますし、ロゴタイプも美しいです。本国版のロゴは若干丸みを帯びたイメージを持つ太めのフォントで、「ポルト」という港町の感じを出すことには成功していますが、個人的には日本版で使われている細身のラインの方が本作には合っていると感じます。

説明も最小限であり、クレジットのカラーも統一感があって良いですね。本国版に準拠しているのも丁寧さを感じます。あの忌々しい「◯◯賞受賞!」「◯◯映画祭上映!」などのデザイン殺しを一切排除しているところにも好感が持てます。

街角のクリエイティブ ロゴ


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