ケース2. 盲腸設定
もし私の体に異変が起きて、もうどうにもならないくらいの痛みが出たとしよう。
なるべくすぐに治療して回復したい。最近社内で流行っているノロウィルスの可能性も否定できないが、昨日飲み会で大盛り上がりした様子をSNSに投稿してしまったので自業自得感が否めない。万が一、1日で回復したら、二日酔いによるサボり説がチームで浮上して、上司の心証も悪くなるだろう。
であれば、突発性の盲腸はどうだろうか。幸い、まだ私の体内にやつはいる。これならばチームの同情も得られる。しかし手術も入院も避けたい。薬で散らす自宅療養がベストだ。食事制限はあるだろうが、ここ最近続いていた暴飲暴食を思い出すとカロリー控えめな食事制限をも受け入れられる。しかし盲腸になったことがない為、痛みの程度を知らない。どれくらいの日数で完治するのだろうか。
そういえば、今日取引先に提出しなければいけない発注書がある。しかもそのデータは会社のパソコンに入っている。午後に同僚に頼んで、データ転送をしてもらわなければならない。先方のメールアドレスもパソコンの中だ。そういえば同僚は午後に外出すると言っていた。これから飛び込みで病院に入り、治療を受けるとしても検査などに時間が取られて、解放されるのは午後だろう。同僚に依頼するならば今か、いや、でもまだ発症していない。
7時10分のアラームが鳴る。どうしたものか。