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消費支出の推移からファッションの傾向を分析してみた

沢葦夫 沢葦夫


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服のレンタルも

古着のチェーン店や大型のリサイクルショップに、ご自分の服を持ち込んだ経験はありますか? 私は少し前、着なくなった服を大量に持ち込んでみたことがありました。ちゃんとしたブランドの服が大半です。ところが、二束三文の買値どころか引き取ってもらえませんでした。理由は「製造から5年を過ぎた製品だから」。それだけの期間が過ぎると、それなりのデザイナーが作っている名の通ったブランドの服でも現在のファッションシーンには合わなくなる。陳腐なデザインなので売り物にはならないのです。

それを考えると、服の寿命は家電品より短いかもしれません。その反面、適度に傷むまで着こなすとなると、生地にもよりますが毎日のように着ない限り5年以上持つこともある。滅多に着ないカジュアルのジャケットなど、いざ出番が来たときには鏡の前で「なんか格好悪いなあ」となるわけです。そのような対象に数万円は高いと考えたくもなります。ファストファッションが台頭する理由ですね。その結果、大量に服が捨てられたり、安い賃金で製造に従事させられたりする労働者の問題も浮かび上がってきています。

「古い服はいやだ」「つぎつぎ買い替えるのも・・・」となると、服にもレンタル時代の追い風が吹いていると言えそうですね。次のグラフは服の賃借料の推移を示しています。

https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/12/machi20161210tobi-fuku-2.png

現在は冠婚葬祭、お祝い事などでの服のレンタルが中心です。また登山服などのレジャーウェアも、レンタルがもってこいです。

その点では、カジュアルウェアのレンタルはまだこれからでしょう。しかしその可能性はありそうですね。

ついでに説明しますと、青い折れ線グラフは服のクリーニング代への支出の推移です。安くなる一方、自宅での丸洗いができる服が増えた。これもひとつの家計の節約方法です。クリーニング店まで衣類を運んだり、引き取りに行ったりする時間の節約にもなります。おかげで、大型の全自動洗濯機や洗濯用洗剤の需要は悪くないようです。

いままで当たり前に誰もが持っていたもの、誰にも買われていたものが、今後も同じように安泰とは限らなくなってきています。メーカーや販売会社は、これまで以上に時代の流れをつかむことが、やはり重要になってきていると言えるでしょう。

街角のクリエイティブ ロゴ


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