基本的には無料で頼まない、受けない
人に依頼をする、受ける際の導入のクリシェとして
「ちょっとお願いしたいことがあるんだけど」
という一文があります。この「ちょっと」は、「ちょっとどころではないお願いを今からするのだが貴様の準備はよろしいだろうか」という意味ですのでご注意ください。また、ほぼ確実に「無料で」または「最貧国の労働者賃金くらいで」的なニュアンスも含まれています。
いろんなエピソードを読んでいると「友人なんだから無料でやってくれるんでしょ」的な言われ方をした方も多くいらっしゃるようですね。お察しします。そもそも、どこの馬の骨とも分からない人にお金を払うよりは、気心知れた相手だからこそしっかり対価を支払って文化的な生活を送るために使って欲しいと思うのは私だけでしょうか。
もし無料で頼みたい場合は、最初から無償でやってくれという旨を伝える。どうしても対価が払えない場合はその理由も説明するのが良いでしょう。後出しジャンケンは最悪です。予算も最初に伝えておくのが良いでしょう。
受ける方も気を付けなければなりません。親しい間柄ゆえに、つい見積もりなどを後回しにしてしまいがちですが、通常の仕事と同様に、仕事の前にお金の話は確定してしまいましょう。それだけで後々起こりうる問題を回避することが可能です。
また無料で受けないとは書きましたが、無料で受けてもいい案件があるのもまた事実です。相手の理由もあるでしょうし、自分の都合もあります。これはケースバイケースなのですが、やはり最初に金銭的な話は確定しておくべきです。
スケジュールはしっかりと組む
「そこまで急いでないからいつでもいいよ」
これも友人・知人から依頼をされる時によく添えられる一文ですが、この「いつでもいいよ」は「とりあえず48時間以内に納品してくれ」というニュアンスが含まれているので注意が必要です。
「いつでもいいならとりあえず今ある仕事片付けてからやろう」と考えていると、2日後くらいに「できた?」と連絡が来て、「今揉んでるところ」とやっているんだかやっていないんだか分からない返事を送るはめになってしまいます。かくして2人のすれ違いが始まり、なんとなく険悪な雰囲気になり、最終的にはお金のことで関係が華麗にフィニッシュ。という揉めごとのテンプレート的展開に陥ってしまうことも少なくありません。
依頼する側は、最低でもこの期日までには欲しいとしっかり伝えましょう。もし本当に「いつでもいい」場合、それはきっと「なくても大丈夫」ですので、依頼自体を見直してお互いの消耗を防ぎましょう。
一方、受け手側は気心知れた間柄ですし「いつでもいい」と言われるとつい後回しにしてしまいがちですが、しっかりスケージュールを組んで依頼主に伝えておきましょう。上述した無料、極低賃金という事情があった場合は尚更です。そういう場合に限って「そこまで急いでないからいつでもいいよ」問題は勃発します。