そして僕が会社を辞めて2年経ったある日の事だった。先輩の共通の友人から突然電話があった。
「先輩が亡くなったぞ」
蝉の鳴く声がジージーとしていたのを覚えている。
僕は頭が真っ白になった。
「なんで」
素直にそう思った。
先輩は夜の海で亡くなっていた。
警察が色々と調べたが事件性はないと判断されて、事故として処理された。
あとで知った事だが、亡くなる少し前にアパートは引き払い、仕事は辞めていたらしい。
亡くなる数日前に共通の友人が電話をした時は、新しい仕事を探そうと思っていると話していたという。
僕はなぜ先輩が亡くなったのか未だにわからない。だけどその事についてはよく考える。そして今でも寂しい気持ちだ。
そして先輩とのあのキャバクラの夜の事もよく思い出す。とても楽しかった。最高の夜だった。
先輩と駅で別れる時に二人で手を振りながら「先輩ありがとう! キャバクラ最高だったよ!」「俺も超楽しかった! また行こうな!」と笑いながら叫んでいた。
僕はあの夜、キャバクラで貰った名刺を今でも大切に持っている。この名刺だけはいつまでも捨てられないと思う。
【過去5回の「嫁公認コラム」はこちら】
・殺されるかもしれないが好きな本を聞いてみよう
・田舎が好き過ぎる僕の話
・長男と二人で旅行に行く、その心
・自信がない女の子へ。大人から始める自信トレーニング
・うちの子供達が申し訳ありません。