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ソンタクとかいいから仕事をくれ【連載】神様がボクを無職にした

フミコフミオ フミコフミオ


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しかし、実際は無慈悲で、尊敬どころか非人間的な取り扱いばかりされている。直近の体験でいえば、「買いたい車がない」と言っているのにもかかわらず、車検のタイミングに合わせて執拗に営業をかけてきていたカーディーラーの担当者も、僕が無職であることを知った途端に、どこか他人行儀で「無理しないでください。車検通しましょう」などと後ろ向き発言をするようになってしまった。

「なぜだ!」という僕の魂の絶叫は、「無職だからさ」という囁きに消されてしまう。きっつー。まあ、多分、40代で無計画に無職になる人間のことがわからないからだ。人間というものは、往々にして自分が理解出来ないものをエイリアンにしてしまう。

本当かどうか知らないが、大学のときにモグリで受けていた『ナントカ映画論』という名のたいして面白くない講義で、「50~60年代のアメリカのSF映画では、優秀で真面目なアジア系の移民を宇宙人(エイリアン)にたとえていた」と聞かされたことかある。アジア系の人は優秀で勤勉だが、表情や感情表現に乏しく何を考えているのかわからない、仕事も取られてしまいそうだ、彼らは地球を侵略するエイリアンと何ら変わらないではないか、という理屈である。いつの時代も、不理解と不寛容が幅をきかせていて、無職についての正解な知識を得ようとする障害となるのだ。

結局のところ、いささか寂しい気持ちにはなってしまうけれども、「分かり合えやしない」ってことを僕たちは分かり合うしか出来ないのだ。

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