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道具は使っても、使われるな【連載】広告代理店の現役アートディレクターが語る

中村征士 中村征士


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道具が、仕上がりやアイデアを縛っているかもしれない

もしも自分がなりたいと目標にしている人がいるならば、その人と全く同じ道具を使ってみるとその人の仕事に近づくことが出来るかもしれません。たまに雑誌とかの特集で、クリエーターの持ち物をざーっと並べているのってありますよね。あれを参考にそのままやってみる。カタチから入るのも実は効果的なのだと思います。

僕は野球に夢中になっていたとき、プロの選手が使うプロモデルのバットを何本も買って試したことがあります。素材・カタチ・バランス、ひとつとして同じものがありません。その人のスイング(型)の考え方が反映しているはずなので、その選手がどうスイングを組み立てているかを想像しながらマネしてみるのです。これのおかげでホームランが打てた・・・わけではないのですが、これまで変えられなかったスイングのクセを見直すことができました。

人は道具を使っていると思いがちだけれど、本当は道具に使われている、という側面もありそうです。

でも、人間っていい加減

長く親しんで使い続けた道具は、安心感をくれます。その道具がないと仕事ができなくなるという人もいるでしょう。マンガ家の荒木飛呂彦先生は、6年も一緒に戦ってきた使い慣れたペン軸をなくしてしまい、仕事にならない! と困ると思いきや、新品を見つけてスグに馴染んでしまったとか。あの作家性の強い荒木先生でもその程度のことなので、意外と道具を変えることは何でもないことなのでしょう。

最近なんだか仕事がうまくいっていないな、と感じているなら、仕事で使っている道具を思い切って変えてみてもいいかもしれません。もしもダメだったら、元に戻せばいいだけの話ですしね。

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