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ドクターX・大門未知子が「鶴の恩返し」を読んだら?

西島知宏 西島知宏


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翌朝、部屋から出てきた娘は、おじいさんとおばあさんに、それはそれは美しい織物を手渡しました。

「こんな美しい織物を織るのは、大変な苦労だったでしょう」

「私、失敗しないので」

娘はさらりと答えました。

娘が織ったその織物は、街で、とても高い値段で売れました。おじいさんとおばあさんは来る日も来る日もメロンを食べることができました。

「お肉ぅ〜食べたぁぁい〜」

娘の要望を聞いて、おじいさんとおばあさんは毎日肉を用意しました。おばあさんが肉を切ろうとすると

「そのオペ、私にやらせて」

そう言って娘が割り込んできました。

「第一助手ぅ〜」

おばあさんが第一助手として、肉のカットを担当しました。

次の日も、その次の日も、娘はハタを織り続けました。

「私、失敗しないので、私、失敗しないので・・・」

ある日、おじいさんが麻雀のメンツに娘を加えようと部屋の中を覗くと、1羽の鶴がいました。

「ムカつく!」

「あぁぁ、ごめんなさい。ぜひね、あのぉそのぉ、ね、君のスキルを何卒!もう一度っ」

「やれよ、デーモン」

おばあさんが本性を現しましたが

「いたしません。契約にないことは、いたしません。」

そう言い残し、空へと飛び立っていきました。

「御意!」

おじいさんとおばあさんは全てを受け入れ、織物のブランド力は地に落ちましたとさ。

おしまい。

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