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『鋼の錬金術師』から学ぶ、報われずとも努力すべき理由【連載】トイアンナの超人気マンガ英語塾

トイアンナ トイアンナ


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★ 超訳英語のポイント

○ Impossible と not possible
possibleは「ありえる」という意味です。そしてImpossibleは「ありえない」という意味です。日本語で言えば「不可能」の「不」の部分を im が担っています。文法を見る限りは、Impossible, that’s impossible と書いても問題ありません。ですがあえてここで impossible と not possibleを分けたのは、not possible と記すことで「なんてことはありえない」の否定的なニュアンスを強く押し出せるからです。

また、英語では同じ単語を続けて使うことを避けたがります。たとえば Mr. Edward (エドワード)と名乗っても、次には He(彼)に置き換わりますね。日本語であればずっと「エドワードさん」と記されるべきところを、英語ではわざわざ He にすることで避けているのです。そこで今回も impossible と not possible を使い分けることで、言い回しの重複を避けました。こんなところでも、日本語と英語の差が見られるのは面白いですね。

「努力」という対価を払ったからこそ 今の兄さんがあるんだ

次は少し長いですが、個人的に好きな名言なのでピックアップしました。

連載が始まってすぐ、アルフォンスは出会った女の子に等価交換の仕組みを教えます。

アルフォンス「言ったろ。錬金術の基本は『等価交換』って。何かを得ようとするならそれなりの代価を払わなければいけない。兄さんも『天才』だなんて言われてるけど『努力』という代価を払ったからこそ今の兄さんがあるんだ」
引用:荒川弘(2001年)『鋼の錬金術師』 スクウェア・エニックス

この文に、私は心を打たれました。なぜならば、努力という代価を支払ったからといって、等価交換で成果を手に出来ないのが現実世界だからです。

この漫画を読むと、あたかも「等価交換」は主人公たちに降りかかる苦しい運命のように思われてきます。人の命を等価交換できる素材はなく、元素を組み替えてしか錬成もできない。ですが現実を振り返ると、こちらの世界はもっと世知辛いことに気付かされます。必死で練習したアスリートが、当日故障でリタイアすることがあります。どんなに恋をしても、あっけなく別の人に奪われる人生もあります。そんな中で、努力の代価をくれる等価交換とはなんと優しいフィクションでしょうか。

この世界は、優しい世界だったのです。それを気付かせてくれるのが、冒頭のこのセリフでした。

早速英語にしてみましょう。

If you want to gain something, you must pay for it. My brother is known as “GENIUS”, but he is there because he took “EFFORTS”.
超訳:何かを得ようとするならそれなりの代価を払わなければいけない。兄さんも『天才』だなんて言われてるけど『努力』という代価を払ったからこそ今の兄さんがあるんだ。

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