★ 超訳英語のポイント
○ Any(いかなる)
直訳の A wound には特に感情が籠もっていませんが、Any + 名詞複数形 で記載することで「いかなる~も」という強調を込めることができます。ゾロにとって背中の傷は絶対につけられたくないもの、という気持ちを強調しています。
○ scars(傷跡)
woundは傷を意味しますが、ゾロが本当に恥だと考えたのは傷をつけられることそのものではなく、その後誰かによって背中に傷がついた剣士=臆病者とみなされることでした。ですから本質的な訳をするのであればscars(傷跡)とするのが正しいでしょう。
愛してくれて………ありがとう!!!
大体5巻に1回は涙することになるONE PIECEですが、その中でも最も「感動強度」が高かったと言えるのはルフィの兄弟分、エースの死でした。
エースはマンガのタイトルにもなっている「ONE PIECE(ひとつなぎの大秘宝)」を作った海賊王、ロジャーを父にもちました。その結果政府や世間からは「鬼の子」と忌み嫌われて育つことになります。そんなエースが10歳の頃に心を開いた数少ない人物が、ルフィだったのです。
愛してくれて………ありがとう!!!
引用:尾田栄一郎(1997年)『ONE PIECE』集英社
エースは世界政府に追われ、ルフィを庇って致命傷を負います。もう大声を出す余力がない中で遺した言葉が、この「愛してくれて………ありがとう!!!」でした。鬼の子として敬遠されたエースを愛してくれた白ひげ海賊団、そしてルフィへの遺言は読者全員の涙腺を破壊しました。
その英語が、こちらです。(紹介する前に泣きそうになっています)
Thank you for………loving me!!!
直訳:愛してくれて………ありがとう!!!
そのまんま、で文句はないのですが、フラットな文体なので軽く聞こえます。また、thank you forは英語の教科書でよく見かけるわりに、実生活であまり使わない口語なのでネイティブが「間違ってないけど、違和感がある」と感じることになりそうです。
そこでこう翻訳してみました。
You guys loved me that much………Thank you!!!
超訳:俺のことをこんなに愛してくれて………ありがとう!!!