蔵内の見学スペースも紹介していただきました!
数多く並ぶかめ壺
編集部:沢山かめ壺がありますが、何種類くらい作っているんでしょうか?
内嶋さん:アイテム的には28個くらいありますかね。良い商品は5年くらい寝かせます。ビニールしてあるものは次の盆まで寝かして出荷するやつです。
編集部:なぜ、かめ壺を埋めているんですか?
内嶋さん:地震なんかがあったら割れてしまうんですよね。この中はプールの様になっています。かめを並べてシラスっていう南九州特有の砂で固めて、上に軽くモルタルを塗ってるんです。だから地震がきても全体が揺れるから割れることは無いんです。
編集部:製造中に苦労されていることはありますか?
内嶋さん:仕込み中は夜中でも起きられるよう食事を制限してます。若い頃は新陳代謝がいいので20kg位落ちましたね。今でも5kg位。体を鍛えてないと。そういうのもあって、今、杜氏の人達が少なくなって会社が機械に変えていくんです。反対に人が作る焼酎が作りたいって社長と話して作ったのがこの蔵なんです。なので、仕込み中は泊り込みです。もろみは何時になったら温度が上がってくるから冷やさなあかんとかあるので。普通はそこにセンサーを入れればいい。でもうちの蔵は必ず人間の手で物をコントロールする。人が作ってるからこそ、機械のものを飲んでいる人たちが初めて飲んだ時に旨いって思う焼酎を作ってます。
様々な試行錯誤を重ね技術を習得し今の蔵を建てた杜氏の内嶋さん。大変な思いをしても焼酎を作る理由には、「地元の人に美味しい地酒を飲んで欲しい」という故郷への愛が溢れていました。