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【感動】34人の美大生による黒板アートで作られたカロリーメイトのCMが凄い

西島知宏 西島知宏


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サントリーBOSS、ソフトバンク、トヨタウン・・。いつの時代も、高いエンターテイメント性で視聴者を楽しませてくれるCMというのが存在します。

そんな「次のCM」が気になる商品の一つにカロリーメイトをあげる人も多いのではないでしょうか。そして、新しいカロリーメイトのCMがドえらい仕上がりになっていたので、私西島、いても立ってもいられず、この記事を書いています。これぞ、クラフトワーク、神が細部に宿ったとしか思えない、そのドえらいCMを、まずはご覧ください。

Reference:YouTube

物語は、主人公の女性が受験当日、試験に挑む場面から始まります。彼女の視線の先には、1年間、いつも彼女のそばにあった黒板。そして、その「黒板」というスクリーンの中で、彼女の受験にかけた1年間が、まるで映画のトレイラーのように映し出されていきます。

34名の美大生が、のべ2,623時間、6,328枚にも及ぶ黒板アートを書き上げ、それを一流のスタッフが仕上げたこのCM。本編も素晴らしいのですが、メイキングも必見です。

Reference:YouTube

そして、お決まりのごとく、制作者に直撃しました。カロリーメイトのCMといえばこの人、catch福部明浩さんです。先日街クリの「飛ぶ鳥を落としてマウンティングしている企業訪問」で、ストローを出してくれなかったあの人です。

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Q1. オリエン内容を簡単に教えて頂けますか?

オリエンは、すごく端的で「カロリーメイトが、お守りのように見えるようにしたい」ということでした。僕たちは、それを「栄養バランスで体調を守る食品」ということだけじゃなく、さらに一歩進んで 「努力してきた姿を、一番近くで見守ってくれている食品」というように、捉えました。

Q2. この企画を思いついた経緯を教えて頂けますか?

まず、そもそも再プレだったんですね、この企画。一回目のプレゼンは4案くらい出しました。プレゼン前は「どれも超いいな〜、これで4年分くらいあるな〜」とADの榎本卓朗(博報堂)と話してたら、全部まったく気に入られなくて(笑)。で、途方に暮れて、二人でその日の夜、焼肉を食べながら「どうしよっかね〜」と言ってる時に、榎本がポロっと「黒板アートどうっすかね?」と言ったのが、きっかけです。僕は、ネギタン塩を食べながら「あるかもね」と言いました。

Q3. プレゼン時のクライアントの反応を教えて頂けますか?

2案プレゼンさせてもらって、どちらもアリだなという雰囲気でした。初見は、黒板アートの案が一番面白いね、という感じでしたが、実はこの案、考えれば考えるほど、逆に仕上がりのイメージが不安になるところもあったようで、時間が経つにつれて、迷われている様子でした。でも最終的には、宣伝部の一番若い女性がエイやとこの案をプッシュしてくれた感じです。ファーストインプレッションに立ち戻った、とおっしゃっていました。

Q4. 想い出となるエピソードがあれば教えて頂けますか?

黒板アートの制作中、CDとして、美大生たちを激励に行って「お、いいじゃん、似てるね〜。その調子で頼むよ〜!」くらい言おうと思っていたんですが、部屋に入った瞬間、あまりにみんな真剣で、ピーンと張り詰めた空気で、一言も何も言えず帰ってきました(笑)。それくらい彼らは真剣に黒板アートに対峙していました。それが逆に、とても頼もしかったです。エンブレム問題とかあって、いま世間から「デザインやアートってよく分かんないな〜」と思われてるかもしれないけど、彼らのセンスや集中力、そして人の心を動かすチカラは紛れもなくホンモノだし、この国の大切な財産の一つだなと思いました。

Q5. 黒板アニメーションの制作過程を教えて頂けますか?

まず全てのシーンを実写で撮影した上で、それを元に黒板アートをつくっています。少し描いては撮影し、また少し描いては撮影。そして一枚完成したら、今度は少しづつ消しながら、また撮影。本当に途方もない労力でできています。美大生たちの絵は、もちろん素晴らしいのですが、実は、その前の市橋織江さんが切り取った「実写のアングル」が素晴らしいんですね。それは監督の田中嗣久さんも、何度もおっしゃってました。そう考えると、今回のCMは、美大生たちの多くは女性だったし、主演の平祐奈さん、歌手のAnlyさん、市橋織江さん、そしてこの案をエイやとプッシュしてくださった大塚製薬宣伝部の方も女性でした。つまり、その多くの部分が、才能ある女性たちの熱意とセンスで創られたものなんだなと改めて思いました。

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素晴らしいですね。このCMは、カロリーメイトを買う消費者に「見せてやれ、底力。」とメッセージしているだけでなく、CMを、映像を、そして表現を仕事とするすべての人に向けた「見せてやれ、底力。」なんだと思いました。

最後にもう一つ。私がこのCMの何が凄いと思ったかというと「再現できないもの」で映像を構成したところだと思うわけです。もちろん表現のフックとして黒板アートがいいというのもあるかもしれないのですが、消せば消える「黒板への手書き」というモチーフが、たった一度しかない「受験と向き合った青春」とリンクし、人々の心に感動をもたらすのだと思いました。

諦めなかったすべての制作者のみなさんに拍手をおくりつつ、この記事を締めたいと思います。

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クライアント名「大塚製薬」
商品名「カロリーメイト」
広告タイトル「見せてやれ、底力。」篇

クリエイティブディレクター:福部明浩
アート・ディレクター:榎本卓朗
プランナー:福部明浩/榎本卓朗
プロデューサー:山田博之/川口正太
演出:田中嗣久
コピーライター:福部明浩
撮影:市橋織江
照明:崎本拓哉
美術:北山陽二郎
アニメーション:美大生の皆さん
スタイリスト:柚木一樹
ヘア・メイク:古久保英人
コーディネーター:高橋亨
キャスティング:増田恵子/忍足晃則 (平祐奈)
キャスティング:橘将人(Anly)
音楽プロデューサー:緑川徹
作詞:岡村孝子
作曲:岡村孝子
唄:Anly
演奏:Anly(ギター)
タレント:平祐奈
ナレーター:モリタモリオ
効果音:田中宏峰
プロダクションマネージャー:斎藤力也/望月有紗
ビデオ編集:今村徳孝/須藤公平

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