地域おこし協力隊ってなに？
次は小林市の須木という地域へ。現在、各所で地域おこし協力隊という活動が行われています。そこの地域に移り住み、地域おこしに協力するという職業です。「でも、一体何をしているの？」と思い、小林市須木地区の地域おこし協力隊である勝本さんと石黒さんにお話を伺いました。
（左）石黒さん （右）勝本さん
編集部：小林市の協力隊の活動ってどんなことをしているんですか？
勝本さん：まず、この人はこれをやってくださいっていうような募集要項ではなかったんです。その人のスキルであったりとか、それに合わせて一緒に活動内容を考えていきましょうっていう。今9人いますけどやっていることはそれぞれ別々じゃないですかね。ちなみに僕は、今まで農場と食品を携わる仕事をしていたので、元々耕作放棄地だったところに野菜のめずらしいものを選んで育てることを試みているところです。自生植物をこちらの人達は食べているんですよ。それを栽化出来ないかと動いてみたりとか、こちらで流通していないものを選んでトライしてみたりしています。
編集部：なぜ小林市を選ばれたんでしょうか？ 前々から縁があったんですか？
勝本さん：小林市っていうのは知らなかったですね。宮崎のどこか位でした。僕は四国中国九州あたりでなんかいい所ないかなと考えている中で、小林の募集要項がしっかりしていて、自分のやりたいことをやれるのかなとか、僕は農業とか食品っていう一次産業をやりたいので、一次産業で成り立っている地域があるっていうので選びました。
編集部：勝本さんは、全く知らない土地に移住することに対しての不安とかはなかったですか？
勝本さん：あんまりなかったですかね、移住の多い半生だったので。生まれは倉敷、育ちは京都、大学が北海道、それから青年海外協力隊でネパール、で帰ってきて長野県、東京から宮崎、となるので海外まで経験してしまうと（笑）。
編集部：地域おこし協力隊の魅力ってなんですか？
石黒さん：地域の人と交流する中で今まで知らなかった知識を教えて頂いたりとか、地域作りをしていく中で今まで出会ったことの無い人と出会えたり交流できたりすることが、何か自分の活動に活かせていけたりいいなっと思います。そういう経験が出来るっていうのが魅力だと感じます。
編集部：活動期間は1年以上3年以下と制定されていますが、ずばり任期終了後は定住をお考えでしょうか？
石黒さん：定住に繋がればなとは思っていますけど、ただ今の段階で定住しますっていう形で宣言はできない状態だと思います。もし定住となった場合に、自分で生活できるだけのことが出来るかっていう不安もありますし、そういった所がクリアできたら定住するって言えるのかなって思います。
編集部：小林市に実際に住んでみて、「じょじょんよかとこ」はどこだと感じましたか？
石黒さん：やっぱり「人」がいいですね。小林に来て早々に地域の方から「椎茸とれたから食べて～」みたいにおすそ分け頂いたりしたので、そういったところで人の温かさを感じることができます。あとは自然が多いっていうのが、須木地区においては特に。こっちに来て自然の多さとか星が綺麗に見えるとか川のせせらぎが聞こえるとか、“自然の音”が聴こえるっていうのが魅力だなとは思います。
編集部：最後に、地域おこし協力隊を考えている人へアドナイスをお願いします！
勝本さん：地域おこし協力隊ってバラバラなんですよね。だから、多用性を大事にしなきゃいけなくて、定住しなきゃいけないとか地域のためにこうしなきゃいけないとかそういう所から入らずに、自分の個性みたいなものを全面に出してダメだったらやめてやる！ 位の気持ちでやった方が、結果的には本人や地域の人のタメにもなる人材なのかなと思います。地域おこし協力隊っていうものを特別視しないっていうことが大事なんじゃないかなと思います。
テレビなどで紹介されている地域おこし協力隊。その地域へ自分が出来ることで返していく、という少し変わった職業ですが、実際にお話を伺ってみてその魅力が分かった気がします。人の為に何かをすることが好きな人には、とてもやりがいのある職業ではないでしょうか。
