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「レディ・プレイヤー1」お前がガンダムなら、俺はJDで行く!

加藤広大 加藤広大


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本作は、スピルバーグ版オアシスの追加シナリオみたいなもんである

とにかく大量の記号が登場する本作で見えたもの/見たかったものを語る以外でのやり方は見えなかったもの/見えたものに隠れていたものについて考えるしかない。

そのために最も簡単な方法は、盛られた記号をすべて剥ぎ取ることである。

劇中に登場するガンダムやアキラ、シャイニング、キングコング、アイアン・ジャイアント、もちろんJoy DivisionやNew Orderなども含めて、すべての記号を剥ぎ取った後には一体何が残るのか。

レディプレイヤーワン-06出典:IMDb

それは、うだつの上がらない少年が仮想現実のなかで少女と出会い恋をして仲間とともに冒険し力を合わせて巨悪と戦い、これを打ち倒す。最終的には現実だってハッピーになるといった「よくある映画」である。

だが、これとて物語としての記号に過ぎない。さらにそれを剥ぎ取った後に残るのは何か。「あの日観た映画の記憶」である。

鑑賞中、未来からやってくる映画と過去から少しずつ流れてくる映画の記憶は合流し郷愁の渦を作る。未来から過去からぐわんぐわんと揺さぶられてしまったら、映画を観ている現在が面白くないわけがない。

ときに、スピルバーグは意識的であれ無意識的であれ、ハリデー(マーク・ライランス)のごとく「映画界のオアシス」みたいなものを作り上げてきた人である。

そう考えると「レディ・プレイヤー1」は、スピルバーグ版オアシスでリリースされた追加シナリオのようなもので、手練老人が余裕綽々で撮った作品がこれまた面白くないわけがない。

これは「たまたま観た金曜ロードショーがすげえ面白かったとき」の、あの満足感と感動に似ている。よく考えたらこれだって郷愁である。ずるいよこんなの。

とにかく面白いし、観て損はない映画だと思う。もし今でも映画館でかかっているとしたら、ぜひ観に行って欲しい。

しかし、71歳になってしまったスピルバーグに関しては、「もうこの撮り方しかできなかったのでは」と感じてしまう自分もいて、なんだかちょっと悲しい。それすらも、彼が仕掛けた記号かもしれないけれど。

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