第10位 神様、もう少しだけ
金城武と深田恭子のブレイクのきっかけを作ったドラマ。当時社会問題となっていたHIVをテーマとしたドラマということもあり、大きな反響を呼んだ。
どこにでもいる今時の女子高生、叶野真生（深田恭子）は、人気音楽プロデューサーである石川啓吾（金城武）の作った音楽が唯一の生きがいだった。年内最後の公演を楽しみにしていた真生だったが、チケットを紛失してしまい、チケット代欲しさに一度限りの援助交際をしてしまう。そしてそれがきっかけでHIVウィルスに感染してしまう。
コンサートの帰り道、たまたま啓吾が乗る車に遭遇した真生は必死で追いかけ、二人は出逢い恋に落ちる。憧れの啓吾と一夜を過ごせたことで幸せを感じていた真生だったが、ひょんなことから行った血液検査でHIVに感染していることを知る。そしてそれを啓吾に告げる決意をする。
放送：1998年7月7日-9月22日（12回）/火曜日21:00-21:54（54分）
出演：金城武/深田恭子
脚本：浅野妙子
演出：武内英樹
プロデューサー：小岩井宏悦
主題歌：LUNA SEA『I for You』
第9位 二十歳の約束
「ヒューヒューだよ」「カキーン」など数々の名言でも話題になった青春ドラマ。小室哲哉氏が初めて連続ドラマの音楽を手がけた作品でもある。
幼い頃に母を亡くしてから兄弟と暮らしてきた高井夕希（牧瀬里穂）だが、ある喧嘩に仲裁に入った兄が不良に絡まれたことで兄を失ってしまう。その後アメリカに留学していた夕希の元に藤村旭という男から手紙が届くようになる。藤村旭を名乗っていたのは赤木純平（稲垣吾郎）で、赤木は夕希の兄が仲裁に入った時に逃げた少年だった。夕希と純平はその後恋仲となるが周囲は猛反対する。二人の恋の行方はどうなるのか、そして夕希と純平、それぞれの心の傷は癒えるのか。
放送：1992年10月12日-12月21日（11回）/月曜日21:00-21:54（54分）
出演：牧瀬里穂/稲垣吾郎
脚本：坂元裕二
演出：永山耕三/中江功
主題歌：佐野元春『約束の橋』
第8位 29歳のクリスマス
マライア・キャリーが主題歌を歌ったことでも人気を博した恋愛ドラマ。矢吹典子（山口智子）、今井彩（松下由樹）、新谷賢（柳葉敏郎）の男女を超えた3人の友情が描かれている。
矢吹典子は、29歳の誕生日に自身の頭に円形脱毛症ができていることに気づき、おまけに仕事で行くはずだったパリコレに行けない、付き合っていた久保田（神保悟志）にも振られる、と散々な1日を経験する。元彼の結婚式に友人の今井彩（松下由樹）、新谷賢（柳葉敏郎）と出席した典子は、そこにいた木佐製作所の御曹司、木佐裕之（仲村トオル）からプロポーズを受けるが自立を大切にする典子は断ってしまう。
一方で賢は、同じく結婚式で見かけたOL、上越香奈（水野真紀）に一目ぼれしアプローチを始める。彩も既婚者でチェリストの浅葉達也（竹下欣伸）との不倫関係を清算できずにいた。三人はやがて同居することとなる。この同居がきっかけで三人の友情は、恋愛へと発展していく。
放送：1994年10月20日-12月22日（10回）/木曜日22:00-22:54（54分）
出演：山口智子/松下由樹
脚本：鎌田敏夫
演出：鈴木雅之/星田良子
プロデューサー：中山和記
主題歌：マライア・キャリー『恋人たちのクリスマス』
第7位 すてきな片想い
「東京ラブストーリー」「101回目のプロポーズ」と揃えて純愛三部作と名付けられたドラマ。平均視聴率21.8%、最高視聴率26.0%を記録した。主演に中山美穂、脚本家に野島伸司、プロデューサーをヒットメーカーである大多亮氏がつとめている。
OLとして働く与田圭子（中山美穂）はある朝、電車に乗り遅れそうになった所を野茂俊平（柳葉敏郎）に助けてもらい好感を抱く。しかし、直後に電車の中でドジな失敗を見られてしまい二度と会いたくない男性になってしまう。奥手な自分を変えようと同僚から紹介された男性に電話を掛け会う約束をする。しかし、待ち合わせ場所に向かった所、そこにいたのは二度と会いたくない男性、俊平だった。その日はすっぽかすが、偽名を使い俊平と電話のやりとりを続けるうち、俊平へ惹かれていくことになる。
放送：1990年10月15日-12月17日（10回）/月曜日21:00-21:54（54分）
出演：中山美穂/柳葉敏郎
脚本：野島伸司
演出：河毛俊作/本間欧彦/石坂理江子
プロデューサー：大多亮
主題歌：中山美穂『愛してるっていわない!』
第6位 君の瞳をタイホする！
トレンディドラマの元祖とも言えるドラマ。その後「東京ラブストーリー」「101回目のプロポーズ」などで大ヒットを飛ばすフジテレビの敏腕プロデューサー大多亮氏のプロデュース第1作目でもある。東京渋谷区の道玄坂警察署・刑事課に勤務する沢田一樹（陣内孝則）、田島鋭次（三上博史）、土門隆（柳葉敏郎）、佐藤真冬（浅野ゆう子）など個性的な刑事を中心としたラブコメディ。刑事ものであるが、事件のシーンはほとんどなく恋愛模様を中心に描かれて居る。三上博史が爆発的に人気を博したドラマでもありその後三上がトレンディドラマに数多く起用されるきっかけとなった作品でもある。同年7-9月期の伝説的ドラマ「抱きしめたい!」のW浅野人気に繋がっている。
放送：1988年1月4日-3月21日（12回）/月曜日21:00-21:54（54分）
出演：陣内孝則/浅野ゆう子
脚本：橋本以蔵/関澄一輝
演出：河毛俊作/光野道夫/松田秀知
プロデューサー：山田良明/大多亮
主題歌：久保田利伸『You were mine』
第5位 ひとつ屋根の下
フジテレビの長い歴史の中でも最高視聴率である37.8%を記録した伝説的ホームドラマ。家族思いのあんちゃんに日本中が共感した。
過去に実業団のマラソン選手だったが、膝の故障が原因で引退を余儀なくされた柏木達也（江口洋介）は、自らの結婚を報告するために生き別れになった兄弟達を訪ね歩いていく。よその家に引き取られ幸せになった弟、非行に走った弟、心を閉ざした弟など最初は兄を拒絶していた兄弟達だったが、唯一兄を受け入れた妹の小雪（酒井法子）のサポートもあって徐々に昔の仲を取り戻していく。やがて兄弟はひとつ屋根の下で、ケンカもしながら絆を深めていくが、家族崩壊の危機に瀕するある事件が起きてしまう。
社会現象にもなったひとつ屋根の下の第1作目。今をときめく豪華な俳優陣の共演も見もののひとつ。失われた古き良き家族の姿がここにある。
放送：1993年4月12日-6月28日（12回）/月曜日21:00-21:54（54分）
出演：江口洋介/福山雅治/酒井法子
脚本：野島伸司
演出：永山耕三/中江功/武内英樹/高丸雅隆
プロデューサー：大多亮
主題歌：財津和夫『サボテンの花〜ひとつ屋根の下より〜』
第4位 ロングバケーション
最高視聴率36.7%。木村拓哉が芸能界で類を見ないほどの人気を得ていくきっかけとなったキムタクブランドの先駆け的ドラマ。
売れないモデルである葉山南（山口智子）は、あろうことか結婚式当日に婚約者に逃げられてしまう。そして、婚約者のルームメイトだった、大学院進学に失敗しピアノ講師で生計を立てる売れないピアニスト、瀬名秀俊（木村拓哉）とひとつ屋根の下で同居することになる。二人はトラブルだらけの同居生活の中で、お互いの存在の大切さに気づき、次第に惹かれあっていく。
「月曜日はOLが街から消える」と週刊誌で記事になるほど「ロンバケ現象」なる社会現象を引き起こした作品。スーパーボールを二階から落として戻ってくるか、はみんなやりましたよね。
放送：1996年4月15日-6月24日（11回）/月曜日21:00-21:54（54分）
出演：木村拓哉/山口智子/竹野内豊/稲森いずみ
脚本：北川悦吏子
演出：永山耕三/鈴木雅之/臼井裕詞
プロデューサー：亀山千広
主題歌：久保田利伸 withNaomi Campbell『LA・LA・LA LOVE SONG』
第3位 101回目のプロポーズ
最高視聴率36.7%。美女と野獣の組み合わせでトレンディドラマに新たな風穴を空けたドラマ。建築会社で係長を務める星野達郎（武田鉄矢）は、真面目だけが取り柄のサラリーマン。サラリーマンを続けながら司法試験挑戦を続けている。99回の見合いを断られ続け、自信を失っている達郎のもとに100回目の見合話が舞い込む。お見合い相手はチェロ奏者の矢吹薫（浅野温子）だった。当初、彼女に断られ「いつもと同じだ」と諦めかけた達郎だったが、どうしても諦めきれず猛烈なアタックを開始。薫も亡くなった婚約者と全く同じ発言をしたり、予測不能な行動を繰り返す達郎に次第に惹かれていく。
「ぼくは死にましぇん」「ぼくは誓う。50年後の君を今と変わらず愛している」など名言にも事欠かない歴史的ドラマ。チャゲ&飛鳥の「SAY YES」も爆発的なヒットを飛ばした。
放送：1991年7月1日-9月16日（12回）/月曜日21:00-21:54（54分）
出演：浅野温子/武田鉄矢/江口洋介
脚本：野島伸司
演出：光野道夫/石坂理江子/林徹
プロデューサー：大多亮
主題歌：CHAGE&ASKA『SAY YES』
第2位 東京ラブストーリー
平均視聴率22.9%、最高視聴率32.3%を記録。「これぞフジテレビのトレンディドラマ」ともいうべきドラマ。
四国から上京してきたサラリーマンの永尾完治（織田祐二）は、上京時に同僚である赤名リカ（鈴木保奈美）の出迎えを受ける。完治は幼なじみの関口さとみ（有森也実）のことが好きだったが、関口は永尾の同級生・三上健一（江口洋介）のことが好きだった。完治はリカからストレートに告白を受け、つきあい始める。しかし、リカの不倫や完治の関口への想いが足かせとなり、二人の恋は思わぬ方向へと向かっていく。
放送：1991年1月7日-3月18日（11回）/月曜日21:00-21:54（54分）
出演：鈴木保奈美/織田裕二/江口洋介
原作：柴門ふみ
脚本：坂元裕二
演出：永山耕三/本間欧彦
プロデューサー：大多亮
主題歌：小田和正『ラブ・ストーリーは突然に』
第1位 妹よ
平均視聴率24.6%、最高視聴率30.7%を記録したドラマ。フジテレビのヒットメーカーであるプロデューサーの大多亮、ディレクターの永山耕三、主題歌にはチャゲ&飛鳥という3位にランキングした大ヒットドラマ『101回目のプロポーズ』の製作陣が再結集して制作された。
食品会社のOLとして働く松井ゆき子（和久井映見）は貧しい家で育った田舎者。石川県で民宿を営む両親の元を離れ、東京でひとり暮らしをしている。ある日、ゆき子は高木コーポレーションの社長、高木雅史（唐沢寿明）と出会う。立場の違いに最初は戸惑うゆき子だったが、兄の松井菊雄（岸谷五朗）の応援もあり、恋を成就させようと努力する。菊雄もまた雅史の妹で、高木家に感動された高木瞳（鶴田真由）に恋をし、瞳も純朴な菊雄に惹かれていく。
アメリカ、ハリウッドで大ヒットした「プリティーウーマン」の日本版ともいうべき、シンデレラストーリーが女性のみならず男性の心の響く名作ドラマです。
放送：1994年10月17日-12月19日（10回）/月曜日21:00-21:54（54分）
出演：和久井映見/唐沢寿明/岸谷五朗
脚本：水橋文美江
演出：永山耕三/林徹
プロデューサー：大多亮/小岩井宏悦
主題歌：CHAGE&ASKA『めぐり逢い』
まとめ
いかがでしたか？ 記憶に新しいドラマから懐かしいものまで、もう一度見返したくなる作品ばかりだったのではないでしょうか。こうして見ると、フジテレビの名作ドラマは月9枠で生まれることが多いことがわかりますね。最近は視聴率も株価も伸び悩んでいると聞きますが、社長も変わったことですしフジテレビドラマの復権を望みたいです。
今回はトレンディドラマが多かったですが、遠山の金さんや大奥、鬼平犯科帳、信長協奏曲など時代劇でも面白いドラマがたくさんあるので次回は時代劇版もご紹介したいと思います。ここでは紹介できなかった金曜日、土曜日の作品だけを取り上げても面白いかもしれませんね。
フジテレビの過去のドラマはフジテレビの動画配信サービス「FOD（fuji tv on demand」でも見ることができるので「どうしても今みたい」という方はそちらにアクセスしてみてもいいのではないでしょうか。私も何をかくそうフジテレビオンデマンドのヘビーユーザーです（笑）
では、これからも数多くの名作ドラマが生まれることを願って、この記事を締めたいと思います。ありがとうございました！
