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「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」全然スローじゃないスローライフの母

こいぬまちはる こいぬまちはる


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庭や畑をやった事のある人が必ず直面する、雑草という厄介モノとのつきあい。ターシャは「これは雑草だけど可愛いから植えているの」と微笑んでいたけれど、待って、ターシャ、私はムリ。刈っても抜いてもあいつら、せっかく植えた花や野菜を軽々凌駕してくんの。もう悪魔に見える時もあった。可愛いなんて微塵も思えない。

「庭仕事のほとんどは草取り」とターシャも言っていたけれど、56歳から作り上げあげたあの規模の、あのクオリティの庭を維持するのにどれだけの時間と労力が必要か。現に、高齢のターシャと家族だけでは間に合わず、夏場は草取りアルバイトの力も借りていたとのこと。それまではずっと自分でやっていたってこと・・・。

それだけでなく、洋服は手作り、灯すロウソクも手作り、料理は薪ストーブで、何十羽もの鳥とコーギ犬の世話。ねぇ、ターシャ、全然スローじゃないよ・・・。

映画ではターシャの人生をたどるのですが、彼女の思想が子供の頃から揺らがなかったことに驚きました。

有名な飛行機技師の父親と画家の母親を持ち、ターシャは裕福な家庭で育ちます。9歳の時に両親が離婚し母親に引き取られますが、ニューヨークの母親から離れ、田舎にある母親の友人宅で暮らすのです。母親はニューヨーク社交界にデビューさせるのを楽しみにしていたようですが、逃げ回っていたとか。その頃の写真には、流行りの服でなく、自分で作った昔ながらのドレスに身を包んで笑ってるターシャの姿。もうすでにターシャが確立しています。

23歳で農業を志す男性と結婚し、畑をしながら幼少期から書いている絵を活かした絵本の出版に動くのです。

「ニューヨーク中の出版社に持ち込んだけど全部ダメだったわ」

ターシャ、ヤル気マンマン。

「その時に、児童文学の第一人者と言われる人にもムリだって言われたの」

ターシャ、忘れてねぇ、60年近く前の言葉、聞き流してねぇ。

持ち込んだ全てに断られたものの、出版したいという会社が現れ、見事絵本作家デビューするのです。多くは語らなかったけれど、農業をしながらその後生まれた4人の子育て、絵本作家としての執筆。なんというパワフルさ。

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