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映画「たかが世界の終わり」で感じたのは、現実以上の体感だった

こいぬまちはる こいぬまちはる


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リビングで嬉々として子供の話をする兄嫁とそれを嬉しそうに聞くルイ、2人の視線とその動きがスローでクローズアップされる。

明らかにシンパシーを感じている、他人である2人が。早々に抜け出し俯瞰でしか家族を見られないルイが、元々他人である兄嫁と1番通じ合えているという皮肉。その2人に1番近い兄だけがそれを察知し、嫌味っぽく突っ掛かりその場の空気をブチ壊す。あの2人の描写が丁寧でなければ、ただの短気で嫌味ったらしい兄貴がせっかくの雰囲気を台無しにした、としか映らなかったはず。

ルイが屈折していて、兄嫁が洞察力に優れ、兄が最も繊細であろうと感じ取れる、重要な場面だ。
 

少し卑屈でまだ子供っぽい妹が、自室でひっきりなしにタバコをふかしながら、「兄さんは家族の誕生日を忘れない」と箱に入ったルイから送られてきたバースデーカードの束を見せながらルイに言う。母も、あの兄さえもそれは大事にしていると言う。だがこう続ける。「なぜ手紙じゃなく絵葉書なの? 配達員に読ませるように、まるで人に見せつけるみたいに」と。ルイと家族を唯一繋いできた絵葉書の意味を、根元からバッサリとなぎ倒していた。

出典:「たかが世界の終わり」オフィシャルFacebook

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