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『コンビニ人間』解説

門松一里 門松一里


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芥川龍之介賞

芥川龍之介は、1892年(明治25年)3月1日生まれの双魚宮(うお座)。第一高等学校から東京帝国大学へ進学し、夏目漱石の門下生(弟子)になりました。卒業後は、海軍機関学校で英語を教えていました。夏目漱石も英語の先生です。

師の夏目漱石が朝日新聞社に入社して新聞に寄稿したように、芥川龍之介もまた大阪毎日新聞社に作家として入社しています。

直木三十五とは違い、作家として名を残した芥川龍之介ですが心身ともに病弱で、1927年(昭和2年)7月24日に、「何か僕の将来に対する唯ぼんやりした不安である」と書き残し、35歳で亡くなりました。
 

あらすじ2

古倉恵子とは違い、妹の麻美はいたって普通の人間で、結婚して子供もいる「こちら側」の人間です。

社会的に変わっているのは「あちら側」にいる古倉恵子のほうなのですが、それが何故かは古倉恵子自身には分かりません。なぜアルバイトを続けるのかという問いに、友達には身体が弱いからと答え、アルバイト先には親が病気がちで介護があるからと答える。この二種類の言い訳を考えたのは麻美でした。

ただ、どれだけ親身になったとしても麻美は、古倉恵子の本質を理解することはありません。男を家に居候させるのも、それは古倉恵子にとって都合が良い――「こちら側」の人間だと思ってもらえるというだけの理由です。もとより恋愛感情はありません。

しかし、「あちら側」の人間が繕っても、「こちら側」の人間にはなれません。やがて〈コンビニ人間〉であることが破綻していきます。

コンビニを辞めた一か月後、ようやく面接にこぎつけたその日、古倉恵子は「コンビニの音」を聞いてしまいます。

この店に今何が必要か、頭で考えるよりも先に、本能が全て理解していた。
(引用:『コンビニ人間』村田沙耶香(2016年)P145

知らない店舗で、古倉恵子は本社の社員を装い勝手に商品を移動させました。ごちゃごちゃだった売り場の商品が、魔法のように理路整然と並べられていきます。

ようやく古倉恵子は、自分自身がコンビニのために存在しているのだと気づきます。

私の細胞全てが、ガラスの向こうで響く音楽に呼応して、皮膚の中で蠢いているのをはっきりと感じていた。
(引用:『コンビニ人間』村田沙耶香(2016年)P151

 

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