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『コンビニ人間』解説

門松一里 門松一里


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コンビニエンスストアに行きましょう!

「いらっしゃいませ!」という声と、理路整然と並んだ商品――コンビニエンスストアはある意味、現代の経済社会の象徴です。「無人島に何を持って行くか」という質問に、「コンビニエンスストア」というジョークがあります。コンビニで働いて、コンビニで消費するという監獄ジョークですが・・・。

コンビニエンスストアは小売(リテール)の最先端で、流通・在庫の管理はトップレベルです。金融も例外ではなく、セブン銀行・イオン銀行があります。利用した人も多いでしょう。
 

作者

村田沙耶香(むらたさやか)は、1979年8月14日生まれの獅子宮(しし座)で37歳(※2017年2月現在)。『コンビニ人間』の初出が、2016年6月号の『文學界』(文藝春秋)です。村田沙耶香は36歳、主人公の古倉恵子と同じ年齢でした。

受賞当時、村田沙耶香はすでに人気作家になっていたのにもかかわらず、週3回コンビニでアルバイトをしていた本物の〈コンビニ人間〉です。作中にもあるように、けっこうブッ飛んだ考え方をしているらしく、作家仲間からは「クレイジー沙耶⾹」と呼ばれているとか・・・。村田沙耶香の思想が多分に古倉恵子に反映されているのでしょう。もちろん、村田沙耶香=古倉恵子ではありません。「あったことをそのまま書く」のは作家ではありませんから。それに、事実を重ねても嘘っぽくなるだけです。ほんの少し、隠し味のように嘘を入れると深みが増します。

出身は、千葉県印西市。二松學舍大学附属柏高等学校に入学したときの文集には「理想」と題して「私の理想とは自然体で生きることである。そしてその自然体は別に欠点だらけでいい。だがその欠点を認める強さと、それをカバーする優しさがほしい」と書いています。美術部に入部し、三年生のときには部長。玉川大学文学部芸術学科芸術文化コース卒業。

ざっと調べましたが、コンビニ以外の職歴はありませんでした。

職業作家は浮き沈みが激しいので、慣れた仕事を続けているという考え方もありますが、単に「ネタを仕入れている」と考えるほうが妥当でしょう。
 

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