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「いただきます」って誰に言う? ~日本人とキリスト教の宗教観~

トゥルーテル美紗子 トゥルーテル美紗子


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イースターまでの46日間=断食の期間

なぜこのような話を始めたかというと、先週の水曜日(2016年は2月10日)から、イースター(2016年は3月27日)までの準備期間である四旬節が始まったからです。

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四旬節の始まりはいつも水曜日から。「灰の水曜日」と呼ばれます。当日のミサはとても重要な式典で、教会には多くの人が詰めかけます

イースターは、イエス・キリストが復活した日。キリスト教において最も大切なお祭りです。その日までの46日間、信者たちはいつも以上に聖書をじっくり読み、懺悔し、毎週金曜日にはお肉(お酒とかTVゲームとか、自分で決めてもOK)を断つなどして節制に努めます。キリストが受けたのと同じ受難を味わうことで、神への忠誠を示すのです。この節制の期間があるからこそ、晴れてイースターを祝えます。

クリスマスもハロウィンも、最近では春節も(あ、これは中国人観光客を取り込むためか)お祝いする柔軟な日本人ですが、イースターはなかなか根付かないんじゃないかと思います。他に色々忙しい時期であるからという理由もありますが、「神様に生かされているのだから、相応の犠牲を払おう」と摂生に努める46日間、それが明けたときの解放感、また節制期間=厳しい冬、イースター=春の訪れという季節感、そうした諸々が日本人には馴染まないんじゃないかと考えるのです。

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イースターまでの四旬節がとても大切なことは分かるのですが、「神様のために何かを断つ」という感覚に、純日本人の私はなかなか共感できません。「お願い神様、今日からチョコレートを我慢するので志望校に合格させてください!」と願掛けをしたことはありますが。
3月27日までの毎週金曜、お肉を断つ夫の横で「いただきます」とお肉を頬張りながら、宗教観の違いって面白いなあと考える毎日です。

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