「生かされている」と思うキリスト教徒、「生きなければ」と思う日本人
この宗教観の違いは、食事に限りません。
イエス・キリストが十字架にはりつけられて死に、葬られ、3日後に復活したという話。絵本や映画で日本人にも浸透していると思うのですが、「キリストが十字架刑にあうことで人々の罪を肩代わりしてくれた。お陰で私たちは生きていられる」というのがキリスト教徒の価値観です。カトリックで自殺や中絶、避妊が禁止されているのは、神にいただいた（あるいはいただく予定の）命を葬ってはいけないからです。
一方で日本人はどうか。私は専門家でもないですし一概には言えないですが「神様に生かされている」という感覚を持っている人は少ないのでは。むしろ「こんな世の中に生まれ落ちてしまった」と捉えて「生きることは修行だ、清く正しく生きなければ」と頑張るのが日本人である気がします。食事の例に戻ると、「農家の人が作ってくれた大切なお米だから、一粒もこぼさないよう、残さないよう綺麗に食べましょうね」と姿勢を正して食卓に向かうのが日本人だと思います。
